<前回のポストからの続きです>
出世に関して言えば日本の場合は教室に教授というポストは基本的に一つしかないので、退官等で教授が辞めて空きのポストができるまでは他の人が教授になることはできない。
このように、日本では准教授(Assistant Professor)から教授(Professor)や助教授(Associate Professor)になるというのはポジションの空き次第である場合が多い。
一方アメリカでは予算の都合上准教授になれる定数は決まっているものの、一旦准教授になったらそこから助教授や教授になるという出世に関してはポジションの空きではなくてその人の業績次第ということになる。
その分出世に関する審査は大変厳しい。
例えば、論文の数や質、グラントの保有数などの業績に加え、教育面での貢献、教室や大学に対する貢献などを総合的に評価され、しかもその評価は教室、教室以外の学内の審査員、学外の審査員など多方面から行われる。
多くの大学では准教授から助教授になるときにテニュア審査も同時に行われ、その際にテニュアが許可されなければ大学を去らなくてはいけない。
これはなかなかシビアな世界である。
また、実際にはアメリカにも教室を束ねる人としてチェアマンというポジションはある。
おそらくこれは日本で言うところの教授に近い。
しかし、日本と違って教授=チェアマンという訳ではなく、教授でチェアマンの人もいれば、助教授でチェアマンの人もいる。
そして、もし仮にチェアマンだった人がその任を降りたとしても同じポジションで(例えば教授であったなら教授として)その教室に残ることはできる。
このように日本では教室の長になるかどうかはポジションの数に依存しており、その長を教授と呼ぶが、アメリカでは教授であるかどうかは業績次第であり、また教室の長になることと教授であることは切り離されている。
<つづく>
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