<前回のポストからの続きです>
アメリカではテニュアトラック、クリニカルトラック、リサーチトラックという3種類のファカルティーポジションがある。
最日本でも聞かれるようになったがテニュアトラックというのが正規のファカルティーで研究(また医師の場合は臨床も)、教育、デパートメントの仕事などを行う。
クリニカルトラックは主に臨床を、リサーチトラックは主に研究だけを行う。
テニュアトラックは出世に伴い終身雇用権を獲得する権利があるが、クリニカルトラックとリサーチトラックにはその権利はない。
また、テニュアトラックは独立して自分のラボを持つことができるが、リサーチトラックはテニュアトラックファカルティーの傘下に属し独立とは見なされない(ファカルティーとは名ばかりで実際はポスドクの延長みたいなものである)。
日本で置き換えると、テニュアトラックは准教授以上でリサーチトラックは任期付の助教という感じか?
僕は今現在、このリサーチトラックファカルティーでテニュアトラックの職を探している最中である。
こちらのファカルティーは、自分の給料をある程度グラントから捻出しなければならない。
テニュアトラックの場合はある割合の給料は大学が保証してくれる(公立校で6−7割、私立で2−3割と聞いたことがある)。
これをハードマネーという。
一方、リサーチトラックの場合は100%の給料をグラントから捻出しなければならない。
これをソフトマネーという。
結果、グラントがなくなった場合、終身雇用権を獲得したテニュアトラックファカルティーは減給されるが職は失わない。
しかし、リサーチトラックの場合はグラントがなくなった時点で終わりになる。
クリニカルトラックの場合は詳しくは解らないが、診療をしている関係で大学や病院に収入をもたらすので、終身雇用はされないがリサーチトラックほど厳しい条件ではないのではないだろうか。
<つづく>
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2006年9月からアメリカ中西部の小さな街にある某大学で研究生活を送っています。 気がついたらあっという間に6年が経とうとしています(2012年7月現在)。 アメリカでの経験をどこかで伝えていったら面白いかな?と思い、今更ながらブログを始めることにしました。 自分の海外での奮闘生活が、少しでも多くの人の留学してみたいと思うきっかけになってくれたらいいなぁ。 まぁたまには、研究生活と関係のない話も出てくるかとは思いますが、そこはどうかお見逃しください。
Wednesday, March 27, 2013
Tuesday, March 12, 2013
日本とアメリカのシステムの違い(1)
ここでは日本とアメリカにおける大学人としての道のり(今まさにその道の途中)の違いを僕なりに検討してみた良いと思う。
<それでは、はじまりはじまり>
日本でもアメリカでも大学院を卒業して学位を取ったら、その学位を武器にしてその後の進路を決めていくことになる。
その中の選択肢の一つとして大学にファカルティー(教授陣)として残るというものがあるだが、そこには日本とアメリカではかなりの違いがある。
しかし、その違いをはっきり解っている人はあまり多くないと思う。
僕も完璧に解っている訳ではないが、両方のシステムを見てきたものとして、ここでは日本とアメリカの大学でのファカルティーシステムの違いを僕なりの視点で解説していきたいと思う。
ファカルティーの枠が博士号取得者と比較すると驚くほど少ない今のご時世、博士号取得からすぐにファカルティーになるという道は恐ろしいほどまれでよほど運がよくない限りはまずあり得ない。
そのため、まず学位(博士号)を取得したら大方の場合ポストドクター(ポスドク)という学生でもなくファカルティーでもない曖昧な奴隷のようなポジションについて修行を積みながらファカルティーを狙うというのは日本もアメリカも特に大きな違いはないと思う。
そして、海外に留学を考えるのはこのポスドクの期間が多く、また博士号を持たない医師や歯科医師の場合でも医師や歯科医師の学位が一応博士号と考えられるのでポスドクとして留学することになる。
その後日本に帰って日本でファカルティーを目指す場合もアメリカに残ってファカルティーを目指す場合もどちらも長い階段を上っていくことには変わりはない。
<つづく>
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<それでは、はじまりはじまり>
日本でもアメリカでも大学院を卒業して学位を取ったら、その学位を武器にしてその後の進路を決めていくことになる。
その中の選択肢の一つとして大学にファカルティー(教授陣)として残るというものがあるだが、そこには日本とアメリカではかなりの違いがある。
しかし、その違いをはっきり解っている人はあまり多くないと思う。
僕も完璧に解っている訳ではないが、両方のシステムを見てきたものとして、ここでは日本とアメリカの大学でのファカルティーシステムの違いを僕なりの視点で解説していきたいと思う。
ファカルティーの枠が博士号取得者と比較すると驚くほど少ない今のご時世、博士号取得からすぐにファカルティーになるという道は恐ろしいほどまれでよほど運がよくない限りはまずあり得ない。
そのため、まず学位(博士号)を取得したら大方の場合ポストドクター(ポスドク)という学生でもなくファカルティーでもない曖昧な奴隷のようなポジションについて修行を積みながらファカルティーを狙うというのは日本もアメリカも特に大きな違いはないと思う。
そして、海外に留学を考えるのはこのポスドクの期間が多く、また博士号を持たない医師や歯科医師の場合でも医師や歯科医師の学位が一応博士号と考えられるのでポスドクとして留学することになる。
その後日本に帰って日本でファカルティーを目指す場合もアメリカに残ってファカルティーを目指す場合もどちらも長い階段を上っていくことには変わりはない。
<つづく>
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