<前回のポストからの続きです>
あとは、一時期でも日本のしがらみからはなれて、研究だけに没頭することができる時間が取れるということも留学の最大の魅力である。
日本にいるとなかなか断れない付き合いがあったりして仕事以外に時間を費やさなくてはならないことも多い。
しかし、一旦日本を飛び出してしまえば、 上司からの飲み会への誘いや、面倒な親戚付き合いなどから一時的かもしれないが完全に解放される。
結局はどこにいても自分の心がけ次第なのだが、仕事に没頭できない言い訳が減るのは間違いない。
もうこうなってしまったらやるしかない。
かといって、アメリカが研究しやすい環境かと言われると、若干の疑問は残る。
多くの留学経験者がもうすでに語っているとは思うが、アメリカの研究室には“これいつの時代のものだよ?”って言うようなアンティーク機材がいっぱいあって、それらがまだ現役だったりする。
また、研究に必須の機材をみんな共同で使っていたりするので、時期によっては取り合いになったりすることもある。
日本にいたときは、ラボごとに必要な機材を持っていて、自分たちが使いたいときにいつでも使えるというような環境だったので、こっちに来たばかりの頃は、ちょっと不便を感じることはよくあった。
しかし、今になってよくよく考えてみると毎日休みなく使わなくてはいけない機材などなく、共同で使えば維持費なども分担することができるし非常に経済的である。
アメリカは、研究費がふんだんにあるイメージだったのでこれは意外であった。お金をかけなくてはいけないことにはものすごく費やすが、無駄遣いはせずしっかり節約もすると効率を重視しているといった感じである。
最新鋭の機材がそこら中に転がっているという環境ではないので、アイデアの斬新さで研究を進めていかなくてはならないことも多い。以外とこれが研究の本質だったりする。
<つづく>
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2006年9月からアメリカ中西部の小さな街にある某大学で研究生活を送っています。 気がついたらあっという間に6年が経とうとしています(2012年7月現在)。 アメリカでの経験をどこかで伝えていったら面白いかな?と思い、今更ながらブログを始めることにしました。 自分の海外での奮闘生活が、少しでも多くの人の留学してみたいと思うきっかけになってくれたらいいなぁ。 まぁたまには、研究生活と関係のない話も出てくるかとは思いますが、そこはどうかお見逃しください。
Tuesday, October 30, 2012
Monday, October 29, 2012
留学の醍醐味とは?(2)
<前回のポストからの続きです>
また、留学の経験は自分を深く見つめ直すいい機会になると思う。
特に始めのうちは親しい知り合いも身近にいなく、言葉も通じない環境に身を置くことになり、他人との雑談の時間も極端に減り、孤独を感じる時間が多くなってくる。
また、コミュニケーションさえ取れれば解決できるような問題が、なかなか簡単に解決できず、自分のふがいなさに直面する。
そうなると、強制的に自分と向き合わざるを得なくなる。
一見するとものすごくネガティブな環境に見えるが、逆に考えるとこれは自分を再発見するためのいいきっかけだと思う。
過去の自分を振り返り、現在の自分のおかれている状況を噛み砕き、そして自分の将来像を計画するという風に自分自身を根底から分析するようなことは、大人になってからは大きな壁にでもぶつからない限りはなかなかできない。
また、日々忙しく働いていると自分を見直そうと何度も思っても、何となく時間を取れずに毎日が過ぎていってしまう。
その点、留学中は日本で働いているときと比べると立ち止まって深く考える時間がたくさん取れると思う。
日系の企業に勤めている駐在員の人たちは、日本と変わらず夜遅くまで働かなくてはいけないという話も聞くが、研究者の場合はたいていの場合自分で働く時間を決められる。
さらにこれは職場の環境にもよるとは思うが、日本に比べると仕事以外の無駄な雑用がほとんどなくなるし、上司が帰らないから自分も帰られないということはほぼなくなる。
従って、職場で仕事のみに集中することができるため家に仕事を持ち帰らなくてはいけない状況が減り、早い時間に帰宅することができる。
そのため、必然的に仕事以外に使える時間が増える。
このように海外留学は、挫折を味わい自分と長い時間向き合うことによって自分を飛躍させるためのチャンスでもある。
<つづく>
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また、留学の経験は自分を深く見つめ直すいい機会になると思う。
特に始めのうちは親しい知り合いも身近にいなく、言葉も通じない環境に身を置くことになり、他人との雑談の時間も極端に減り、孤独を感じる時間が多くなってくる。
また、コミュニケーションさえ取れれば解決できるような問題が、なかなか簡単に解決できず、自分のふがいなさに直面する。
そうなると、強制的に自分と向き合わざるを得なくなる。
一見するとものすごくネガティブな環境に見えるが、逆に考えるとこれは自分を再発見するためのいいきっかけだと思う。
過去の自分を振り返り、現在の自分のおかれている状況を噛み砕き、そして自分の将来像を計画するという風に自分自身を根底から分析するようなことは、大人になってからは大きな壁にでもぶつからない限りはなかなかできない。
また、日々忙しく働いていると自分を見直そうと何度も思っても、何となく時間を取れずに毎日が過ぎていってしまう。
その点、留学中は日本で働いているときと比べると立ち止まって深く考える時間がたくさん取れると思う。
日系の企業に勤めている駐在員の人たちは、日本と変わらず夜遅くまで働かなくてはいけないという話も聞くが、研究者の場合はたいていの場合自分で働く時間を決められる。
さらにこれは職場の環境にもよるとは思うが、日本に比べると仕事以外の無駄な雑用がほとんどなくなるし、上司が帰らないから自分も帰られないということはほぼなくなる。
従って、職場で仕事のみに集中することができるため家に仕事を持ち帰らなくてはいけない状況が減り、早い時間に帰宅することができる。
そのため、必然的に仕事以外に使える時間が増える。
このように海外留学は、挫折を味わい自分と長い時間向き合うことによって自分を飛躍させるためのチャンスでもある。
<つづく>
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Tuesday, October 23, 2012
留学の醍醐味とは?(1)
ちょっと、いろいろあって更新が滞っていました。そのいろいろは追々発表していくとして、しれっと何事もなかったかのようにブログ更新しちゃいます。
留学をこのブログではオススメしていますが、それでは一体留学の醍醐味って何なのでしょう?今回は留学のいいところを中心にお届けしていきたいと思います。
<それでは、はじまりはじまり>
研究者にとっての海外留学の本当の醍醐味とはいったいなんなのだろうか?
これがはっきりしない限りは、かなりのリスクを冒してまで、留学しようと思う人は増えないだろう。
僕がまず海外に来て始めに魅力的だなと思ったことは、ネイチャー、サイエンス、セルというような有名な雑誌に論文を出しまくっている超有名人が意外と身近にいたりすることである。
同じ施設にいるかどうかは留学する場所にもよるとは思うが、例えそういう人が同じ施設にはいなかったとしても触れ合える確率は日本にいるときに比べると格段に増加する。
そのうえ、いまだ多くの国際学会はアメリカで開催されることが多いので、日本にいるよりはそういった学会にも参加しやすくなる。
また探してみれば意外と自分の施設にスーパースターがセミナーをしにきていたりするのである。
実際学会という環境では、会場も大きいし参加人数も多いので、なかなか話しかけるのは難しいと思う。
しかし、大学等で開催されているセミナーは、教室ぐらいの小さな部屋で10−20人程度の少人数で行われることが多く、またセミナー中でもばんばん質問して遮っても良い環境なので、疑問思っていることをスーパースターに直に答えてもらうことができる。
また、例えセミナー中に質問ができなかったとしても、セミナーが終わった後にその人に近づいていって話しかけることもできる。
これは偉い人であろうが、若手であろうが関係なく勇気さえあれば、誰でも気軽に話しかけられる。
こんな環境は日本にいてはまず味わえない。例えスーパースターが来日していたとしても、偉い人たちに囲まれてしまって、若手がそういう人たちに触れ合うチャンスはなかなかない。
<つづく>
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留学をこのブログではオススメしていますが、それでは一体留学の醍醐味って何なのでしょう?今回は留学のいいところを中心にお届けしていきたいと思います。
<それでは、はじまりはじまり>
研究者にとっての海外留学の本当の醍醐味とはいったいなんなのだろうか?
これがはっきりしない限りは、かなりのリスクを冒してまで、留学しようと思う人は増えないだろう。
僕がまず海外に来て始めに魅力的だなと思ったことは、ネイチャー、サイエンス、セルというような有名な雑誌に論文を出しまくっている超有名人が意外と身近にいたりすることである。
同じ施設にいるかどうかは留学する場所にもよるとは思うが、例えそういう人が同じ施設にはいなかったとしても触れ合える確率は日本にいるときに比べると格段に増加する。
そのうえ、いまだ多くの国際学会はアメリカで開催されることが多いので、日本にいるよりはそういった学会にも参加しやすくなる。
また探してみれば意外と自分の施設にスーパースターがセミナーをしにきていたりするのである。
実際学会という環境では、会場も大きいし参加人数も多いので、なかなか話しかけるのは難しいと思う。
しかし、大学等で開催されているセミナーは、教室ぐらいの小さな部屋で10−20人程度の少人数で行われることが多く、またセミナー中でもばんばん質問して遮っても良い環境なので、疑問思っていることをスーパースターに直に答えてもらうことができる。
また、例えセミナー中に質問ができなかったとしても、セミナーが終わった後にその人に近づいていって話しかけることもできる。
これは偉い人であろうが、若手であろうが関係なく勇気さえあれば、誰でも気軽に話しかけられる。
こんな環境は日本にいてはまず味わえない。例えスーパースターが来日していたとしても、偉い人たちに囲まれてしまって、若手がそういう人たちに触れ合うチャンスはなかなかない。
<つづく>
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