<前回のポストからの続きです>
さて、実験を始めて結果が出るようになったら、ラボミーティング等でどんどん発表していこう。
ラボミーティングの頻度や発表のスタイルなどはラボによって異なるとは思うが、毎回データを発表できるように準備だけはしておくこと。
例えば、週一回ラボミーティングはあるけど、月一回しか自分の発表の機会が回ってこなかったとしても毎週新しいデータを発表するつもりで実験計画を練り、プレゼンテーションの準備をしておく。
そうしておけば、もし時間が余ったなどのちょっとしたチャンスが巡ってきたときに自分のデータを発表することができるし、ミーティングで発表の機会がなかったとしてもボスがふらっとラボに入ってきたときなんかにさっとデータを見せてディスカッションをすることができる。
このように自分が何をやっているかを積極的に発表し、それに対して周りの人の意見をもらい議論をしていくというのは研究をしていく上でとても大事なことである。
しかし、準備をしていなければ、このようなチャンスが回ってきても、それをつかむことはできない。
また、英語が苦手だからと他の人とディスカッションをするのを恐れてはいけない。
ある意味この発表の場をプレゼンテーションの練習にしてしまえばよい。
僕の周りの日本人でよく見るのは、ミーティングでは黙っているくせに、いざ学会発表などの機会が訪れたときにだけ英語で発表しようとしてあたふたしている姿である。
こんな風にならないためにも自分のラボのミーティングで練習していこう。
また、言葉だけで説明するのが難しい場合は、分かりやすいダイアグラムを描いたりしてビジュアルに訴えて説明していくとよい。
僕は実験の方法を説明するときなどは、手で絵を描きながら説明していく。
絵を描くためには言いたいことを自分の中でかなり噛み砕いていないといけないので、 準備の段階で自ずと勉強するようになる。
このようにいつでも発表できるように準備をしていくことは、勉強するサイクルも作れるし、ボスにもやる気をアピールできるしいいこと尽くめである。
<つづく>
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2006年9月からアメリカ中西部の小さな街にある某大学で研究生活を送っています。 気がついたらあっという間に6年が経とうとしています(2012年7月現在)。 アメリカでの経験をどこかで伝えていったら面白いかな?と思い、今更ながらブログを始めることにしました。 自分の海外での奮闘生活が、少しでも多くの人の留学してみたいと思うきっかけになってくれたらいいなぁ。 まぁたまには、研究生活と関係のない話も出てくるかとは思いますが、そこはどうかお見逃しください。
Friday, December 21, 2012
Thursday, December 20, 2012
ラボでの働きかた(6)
<前回のポストからの続きです>
いざ実験を行う段階になったら、一気に片を付けてしまいたいところだが、現実はそんなに甘くはない。
思ったような結果がでないことなんてざらである。
そんなときに自分の手技や実験方法に問題があるのか、それとも仮説に問題があるのかあとで検討できるように、実験ノートにはそのとき行ったことを事細かく記していく必要がある。
多くの場合はラボにあるプロトコールに添って実験を行っていくのだろうと思うが、毎回条件が同じであることはあり得ない。
時には、30分反応させなくてはいけない部分を時間の関係で20分の時点で反応を止めて次のステップに移行しなければならないことがあるかもしれない。
もしそれでも結果に差がなければ、その反応時間は20分に減らすことができるはずである。
これによって10分得することになる。
しかし、そういうことをノートに書いていなければ、あとで検証することもできないし、プロとコールが改善していくこともない。
プロトコールとは、 実験を手伝ってくれる人(ラボテクニシャンや学生など)誰もが同じ実験をすれば自分と同じような結果が出せるように作られている実験の説明書であって、それがその実験の完成型ではない。
従ってプロトコールには改善できる点はたくさんあるはずである。
様々な技術が進歩している中で、例えば5年も10年も実験のプロトコールが改善されないなんてことはあり得ないのである。
僕はプロトコールとは従うべきものではなく変更していくものだと思っている。
研究者として留学したのであれば、始めからそのラボに伝わるプロトコールに従うのではなく、なんとか改善できる点はないのか考えながら実験を進めていくと良いと思う。
以前にいたラボの方法を適応するもよし、インターネットで新しい方法を探すもよしである。
もし、自分なりの新しい実験方法が編み出せたら、それをネタに論文を書くことだってできる。
こうなったら自分とラボ両方にとって業績になるし、WIN-WINの関係である。
また、研究していて一番楽しい時間とは、このようにいろいろと考えて新しいことを試していくときだったりするのである。
留学中にラボからいろいろと学ぶことも大切ではあるのだが、その一方で、このようにして少しでもラボのシステムを改善してくことで、ラボに貢献できるようにすることも大切である。
少しでもラボに必要とされる人材になることが留学を成功させるこつでもある。
<つづく>
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いざ実験を行う段階になったら、一気に片を付けてしまいたいところだが、現実はそんなに甘くはない。
思ったような結果がでないことなんてざらである。
そんなときに自分の手技や実験方法に問題があるのか、それとも仮説に問題があるのかあとで検討できるように、実験ノートにはそのとき行ったことを事細かく記していく必要がある。
多くの場合はラボにあるプロトコールに添って実験を行っていくのだろうと思うが、毎回条件が同じであることはあり得ない。
時には、30分反応させなくてはいけない部分を時間の関係で20分の時点で反応を止めて次のステップに移行しなければならないことがあるかもしれない。
もしそれでも結果に差がなければ、その反応時間は20分に減らすことができるはずである。
これによって10分得することになる。
しかし、そういうことをノートに書いていなければ、あとで検証することもできないし、プロとコールが改善していくこともない。
プロトコールとは、 実験を手伝ってくれる人(ラボテクニシャンや学生など)誰もが同じ実験をすれば自分と同じような結果が出せるように作られている実験の説明書であって、それがその実験の完成型ではない。
従ってプロトコールには改善できる点はたくさんあるはずである。
様々な技術が進歩している中で、例えば5年も10年も実験のプロトコールが改善されないなんてことはあり得ないのである。
僕はプロトコールとは従うべきものではなく変更していくものだと思っている。
研究者として留学したのであれば、始めからそのラボに伝わるプロトコールに従うのではなく、なんとか改善できる点はないのか考えながら実験を進めていくと良いと思う。
以前にいたラボの方法を適応するもよし、インターネットで新しい方法を探すもよしである。
もし、自分なりの新しい実験方法が編み出せたら、それをネタに論文を書くことだってできる。
こうなったら自分とラボ両方にとって業績になるし、WIN-WINの関係である。
また、研究していて一番楽しい時間とは、このようにいろいろと考えて新しいことを試していくときだったりするのである。
留学中にラボからいろいろと学ぶことも大切ではあるのだが、その一方で、このようにして少しでもラボのシステムを改善してくことで、ラボに貢献できるようにすることも大切である。
少しでもラボに必要とされる人材になることが留学を成功させるこつでもある。
<つづく>
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Wednesday, December 19, 2012
ラボでの働きかた(5)
<前回のポストからの続きです>
ここでちょっと前後していまうが、論文を書くためにはそもそもストーリーが展開できるようなデータがないといけない。
もちろんそのためにはたくさん実験をしなくてはいけないのだが、ただ闇雲に実験をこなして大量のデータを生産するやり方はあまりスマートではない。
実験を一つするにも材料費や人件費などお金はかかるので、論文を書く場合とは反対に、実験を行うときには量より質を重視した方が良い。
また、質の高い実験をすることによって、必然的に論文を書くことへの最短ルートをとることができる。
ボスからテーマを与えられたからといって、やる気を見せようとすぐに実験を始めてはいけない。
まずはじっくりそのテーマから導きだされるであろう結論を考察し、そこに向かうためにどのようにストーリーを展開していけば良いのかを想像するところからスタートしなければいけない。
そのためのアイデアとして、僕がよく自分の学生や同僚に薦めているのは、データのない状態で既に論文のように図を作ってしまうのである。
僕はこれを“フェイクペーパー”と呼んでいる。
簡単に言うと、やりたい実験を想像して、そこから得られるであろう結果に対する想像上のグラフや写真などを紙に手書きしてしまうのである。
IKEAの家具やプラモデルも設計図がなければ作るのは難しいが、設計図さえあればあとはそれにそって組み立てていくだけ。
つまり実験も設計図さえあればさほど難しくはないはずなのである。
これの利点としては、文章を書いていく訳ではないのでたいして時間もかからないわりに、自分がいきたい方向性がわかるので実験計画にぶれがなくなるし、ビジュアルに訴えるので他の人(主にボスに)に対して説得もしやすいので一石二鳥である。
そして、ボスとのディスカッションを経てある程度フェイクペーパーが完成したら、あとは実際に実験をして自分の仮説が正しかったかどうかを確かめていけばいいだけである。
また、途中で仮説が間違っていることが判明したら、そこからまたフェイクペーパーを作りなおして計画を練り直せば良いのである。
しかし、ここで忘れてはいけないのは、データを出して論文にすることが一番の目的であるということ。
自分で手を動かして実験するよりも、このように仮説をたてて想像していくことの方が楽しいので、想像ばかりに走ってしまうこともあるが、想像と実験のバランスを効率よく考えてラボの中で動いていって欲しい。
<つづく>
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ここでちょっと前後していまうが、論文を書くためにはそもそもストーリーが展開できるようなデータがないといけない。
もちろんそのためにはたくさん実験をしなくてはいけないのだが、ただ闇雲に実験をこなして大量のデータを生産するやり方はあまりスマートではない。
実験を一つするにも材料費や人件費などお金はかかるので、論文を書く場合とは反対に、実験を行うときには量より質を重視した方が良い。
また、質の高い実験をすることによって、必然的に論文を書くことへの最短ルートをとることができる。
ボスからテーマを与えられたからといって、やる気を見せようとすぐに実験を始めてはいけない。
まずはじっくりそのテーマから導きだされるであろう結論を考察し、そこに向かうためにどのようにストーリーを展開していけば良いのかを想像するところからスタートしなければいけない。
そのためのアイデアとして、僕がよく自分の学生や同僚に薦めているのは、データのない状態で既に論文のように図を作ってしまうのである。
僕はこれを“フェイクペーパー”と呼んでいる。
簡単に言うと、やりたい実験を想像して、そこから得られるであろう結果に対する想像上のグラフや写真などを紙に手書きしてしまうのである。
IKEAの家具やプラモデルも設計図がなければ作るのは難しいが、設計図さえあればあとはそれにそって組み立てていくだけ。
つまり実験も設計図さえあればさほど難しくはないはずなのである。
これの利点としては、文章を書いていく訳ではないのでたいして時間もかからないわりに、自分がいきたい方向性がわかるので実験計画にぶれがなくなるし、ビジュアルに訴えるので他の人(主にボスに)に対して説得もしやすいので一石二鳥である。
そして、ボスとのディスカッションを経てある程度フェイクペーパーが完成したら、あとは実際に実験をして自分の仮説が正しかったかどうかを確かめていけばいいだけである。
また、途中で仮説が間違っていることが判明したら、そこからまたフェイクペーパーを作りなおして計画を練り直せば良いのである。
しかし、ここで忘れてはいけないのは、データを出して論文にすることが一番の目的であるということ。
自分で手を動かして実験するよりも、このように仮説をたてて想像していくことの方が楽しいので、想像ばかりに走ってしまうこともあるが、想像と実験のバランスを効率よく考えてラボの中で動いていって欲しい。
<つづく>
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Tuesday, December 18, 2012
ラボでの働きかた(4)
<前回のポストからの続きです>
ボスから帰ってきた第一稿は、おそらく自分の文章が全くないぐらい直されているだろう。
できればどこをどう直されたのか知るために、直したものとその前のものが比較できるようにしておくと良い。
マイクロソフトのワードを使っている場合は、レビュー機能を活用しよう。
もしくは、最初の何稿かは手書きで赤ペンを入れてもうといいかもしれない。
僕も留学したての頃は、自信を持って書き上げた論文が見るも無惨なくらいに真っ赤っかになって帰ってきていた。
今でもネイティブに見せると基本的にはいろいろと直されるが、比較的直される頻度は減り、意味が全く通じない文章というものはなくなった。
このような、やり取りをすることによってただ単に論文の書き方や英語がうまくなるだけではなく、ボスの考え方もよくわかるようになるし、自分のこともわかってもらえるようになる。
自分が誰かの下にいる間にしか経験できない貴重な体験である。
そして、さらにこのやり取りを有効に活用するためには、ボスが論文を直してくれたら、遅くとも一週間以内(できれば2−3日以内がベストだが)には言われたところをきれいに書き直してボスに送り返そう。
僕はこれを“ピンポンメソッド”と読んでいる。鉄は熱いうちにうてという言葉もあるように、とにかく素早く相手のコート(ここではボスの手元)に打ち返してしまおう。
そうすることによって、論文の質はさらに良くなるし、ボスがゴーサインを出さない限りは論文として投稿されないのであるから、これが論文を世に出す一番の近道である。
始めのうちは、質などあまり気にせず、打ち返すスピードで勝負である。
ここまでされたらボスだって悪い気はしないだろうし、これに答えようと一生懸命に直してくれるはずである。
<つづく>
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ボスから帰ってきた第一稿は、おそらく自分の文章が全くないぐらい直されているだろう。
できればどこをどう直されたのか知るために、直したものとその前のものが比較できるようにしておくと良い。
マイクロソフトのワードを使っている場合は、レビュー機能を活用しよう。
もしくは、最初の何稿かは手書きで赤ペンを入れてもうといいかもしれない。
僕も留学したての頃は、自信を持って書き上げた論文が見るも無惨なくらいに真っ赤っかになって帰ってきていた。
今でもネイティブに見せると基本的にはいろいろと直されるが、比較的直される頻度は減り、意味が全く通じない文章というものはなくなった。
このような、やり取りをすることによってただ単に論文の書き方や英語がうまくなるだけではなく、ボスの考え方もよくわかるようになるし、自分のこともわかってもらえるようになる。
自分が誰かの下にいる間にしか経験できない貴重な体験である。
そして、さらにこのやり取りを有効に活用するためには、ボスが論文を直してくれたら、遅くとも一週間以内(できれば2−3日以内がベストだが)には言われたところをきれいに書き直してボスに送り返そう。
僕はこれを“ピンポンメソッド”と読んでいる。鉄は熱いうちにうてという言葉もあるように、とにかく素早く相手のコート(ここではボスの手元)に打ち返してしまおう。
そうすることによって、論文の質はさらに良くなるし、ボスがゴーサインを出さない限りは論文として投稿されないのであるから、これが論文を世に出す一番の近道である。
始めのうちは、質などあまり気にせず、打ち返すスピードで勝負である。
ここまでされたらボスだって悪い気はしないだろうし、これに答えようと一生懸命に直してくれるはずである。
<つづく>
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Monday, December 17, 2012
ラボでの働きかた(3)
<前回のポストからの続きです>
それでは、どうやって論文を書いていけば良いのだろうか?
まず一番大切なことは、書き始めるということ。
いくら頭の中でいろいろ想定していてもそれを言葉(文章)に落とすという作業は、始めはなかなか難しい。
一行書くのに30分から1時間かかるなんてこともざらである。
特に英語で文章を書き慣れていない人ならなおさら時間がかかる。
中には、論文は最後まで書き上げて、体裁まできれいに整えてからボスに渡すべきという意見もあると思うが、僕はそうは思わない。
訳の分からない文章を一気にたくさん渡されると、読むのも疲れるし、それが意味をなすように直していくのは至難の業である。
少ない文章の量の方が、直していく方のも簡単だし、もしいらない文章があったとした思い切って省いたりしやすいのである。
なので、例えイントロダクションだけしか書けていなかったとしても、ある程度見直してこれ以上書き直せないと思ったら、それ以上長く手元においてもしょうがないので早くボスに渡して、「論文書く気満々ですよ。」とアピールしてしまおう。
もしその時点で、「最後まで書いてからもってこい。」と言われればそうすればいいだけの話で、こうすることで、自分がその仕事の第一著者になりたいというアピールにもなるのでやって損はないと思う。
<つづく>
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それでは、どうやって論文を書いていけば良いのだろうか?
まず一番大切なことは、書き始めるということ。
いくら頭の中でいろいろ想定していてもそれを言葉(文章)に落とすという作業は、始めはなかなか難しい。
一行書くのに30分から1時間かかるなんてこともざらである。
特に英語で文章を書き慣れていない人ならなおさら時間がかかる。
中には、論文は最後まで書き上げて、体裁まできれいに整えてからボスに渡すべきという意見もあると思うが、僕はそうは思わない。
訳の分からない文章を一気にたくさん渡されると、読むのも疲れるし、それが意味をなすように直していくのは至難の業である。
少ない文章の量の方が、直していく方のも簡単だし、もしいらない文章があったとした思い切って省いたりしやすいのである。
なので、例えイントロダクションだけしか書けていなかったとしても、ある程度見直してこれ以上書き直せないと思ったら、それ以上長く手元においてもしょうがないので早くボスに渡して、「論文書く気満々ですよ。」とアピールしてしまおう。
もしその時点で、「最後まで書いてからもってこい。」と言われればそうすればいいだけの話で、こうすることで、自分がその仕事の第一著者になりたいというアピールにもなるのでやって損はないと思う。
<つづく>
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Friday, December 14, 2012
ラボでの働きかた(2)
<前回のポストからの続きです>
ここで言う結果を出すということは、論文を書くということである。
どんなにきれいなデータを出そうが、どんなにいい発表を学会で行おうが、それが論文という形に残っていなければ、この業界では何もしていないのと同じ。
留学中に論文が出ていなければ、留学中に何もしなかったことと同じである。
逆に言えば、例えたいしたことのない内容であっても論文になっていればそれは、立派な業績(結果)なのである。
そしてこの結果をもとにして、ボスはラボを継続していくためグラントをとっていくのである。
お金がたくさんあってグラントを焦ってとらなくてもいいような、有名ラボでは論文の質にこだわるため、あまり内容が薄いような仕事は論文にさせてくれないかもしれない。
しかし、中小企業ラボでは、たとえインパクトファクターは低くとも多くの論文を出した方がボスは喜ぶものである。
大きな仕事狙うのは夢があっていいかもしれないが、留学中に仕事として完結しない(論文にならない)ことも多い。
帰国後に共著者としてその論文に載せてもらえるかもしれないが、例え有名な雑誌に論文が載ったとしても、それはもう既に自分の仕事ではなくなっている可能性が高い。
従って、留学中には論文を出版させることを一番の目的にして働いて欲しい。
うちのラボでは新しいポスドクを雇い入れる段階で、彼らにレビュー論文(総論:簡単に言うと現在までの発見を教科書のようにまとめたもの)を含めて、年間2本の論文を書き上げること(出版ではない)を課している。
これはちょっと厳しいという見方もあるが、これくらいの高い目標にしておかないと全く論文がでないままただだらだらと実験を続けていくことになってしまう。
やはり留学は結果(論文)がすべてなので、例えボスに何も言われなくても、一年に最低でも一本は論文を完成させるつもりで働く。
これが、研究留学を成功させるこつである。
<つづく>
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ここで言う結果を出すということは、論文を書くということである。
どんなにきれいなデータを出そうが、どんなにいい発表を学会で行おうが、それが論文という形に残っていなければ、この業界では何もしていないのと同じ。
留学中に論文が出ていなければ、留学中に何もしなかったことと同じである。
逆に言えば、例えたいしたことのない内容であっても論文になっていればそれは、立派な業績(結果)なのである。
そしてこの結果をもとにして、ボスはラボを継続していくためグラントをとっていくのである。
お金がたくさんあってグラントを焦ってとらなくてもいいような、有名ラボでは論文の質にこだわるため、あまり内容が薄いような仕事は論文にさせてくれないかもしれない。
しかし、中小企業ラボでは、たとえインパクトファクターは低くとも多くの論文を出した方がボスは喜ぶものである。
大きな仕事狙うのは夢があっていいかもしれないが、留学中に仕事として完結しない(論文にならない)ことも多い。
帰国後に共著者としてその論文に載せてもらえるかもしれないが、例え有名な雑誌に論文が載ったとしても、それはもう既に自分の仕事ではなくなっている可能性が高い。
従って、留学中には論文を出版させることを一番の目的にして働いて欲しい。
うちのラボでは新しいポスドクを雇い入れる段階で、彼らにレビュー論文(総論:簡単に言うと現在までの発見を教科書のようにまとめたもの)を含めて、年間2本の論文を書き上げること(出版ではない)を課している。
これはちょっと厳しいという見方もあるが、これくらいの高い目標にしておかないと全く論文がでないままただだらだらと実験を続けていくことになってしまう。
やはり留学は結果(論文)がすべてなので、例えボスに何も言われなくても、一年に最低でも一本は論文を完成させるつもりで働く。
これが、研究留学を成功させるこつである。
<つづく>
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Wednesday, December 12, 2012
ラボでの働きかた(1)
今日からは、実際どのようにラボで働いたら良いのかを自分の経験をもとに綴ってみたいと思います。
<それでは、はじまりはじまり>
これは日本でも海外でも関係ないと思うが、基本的に研究とは企業につとめているのと違って、決まった時間に職場にいなくてはいけないということはない。
言い換えれば、結果さえ出ていれば働く時間帯や働き方にこれといった決まりはない。
朝早く来て実験して午後早々に帰宅しても良いし、夕方から来て夜中じゅう働いて明け方帰っても良い。
しかし、これでは同僚やボスと関わる時間が少なくなってしまい、彼らからいろいろと学ぶことができなくなってしまう。
たまにはこういう特別な時間帯で働くのも良いが、やはりなるべくなら多くの人が働いている9時から5時を絡めて仕事をするのが一番いい。
働く時間に関して始めのうちは、いろいろと見たり聞いたりするためにも、一番早く来て一番遅く帰るぐらいの気持ちは持っていた方がよい。
今はもうほとんどそんなことはないが、以前は僕もボスも早い時間に職場に来ていて朝の誰もいないラボでボスと二人で秘密のディスカッションをしたものである。
また、たとえアメリカといえども、一番遅く来て一番早く帰る人に対する印象はあまり良いとは言えない。
しかし、働く時間があまりに短すぎるのは良くないと思うが、ただだらだらと長く働きすぎても意味がない。
日本にいるときとは違って、ボスより早く帰ったら印象が悪くなるということはないので、やることがない場合にはぱっと帰ってもなにも問題はない。
また、週末に関しては、ボスによっては働くことを要求する人もいる。
こればっかりは、実際留学してみないとわからないことが多い(留学前に聞くこともできるが、休みのことばかりを気にしているようでなかなか聞くのは難しいと思われる)。
実際はどういう時間帯で働いたら良いかはそのラボの環境(またはボスの好み)によるので、どういうバランスで働くのが良いのかは一概には言えないが、一生懸命働いて結果を出してさえいれば、長時間職場にいる必要はないというのが僕の印象である。
<つづく>
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<それでは、はじまりはじまり>
これは日本でも海外でも関係ないと思うが、基本的に研究とは企業につとめているのと違って、決まった時間に職場にいなくてはいけないということはない。
言い換えれば、結果さえ出ていれば働く時間帯や働き方にこれといった決まりはない。
朝早く来て実験して午後早々に帰宅しても良いし、夕方から来て夜中じゅう働いて明け方帰っても良い。
しかし、これでは同僚やボスと関わる時間が少なくなってしまい、彼らからいろいろと学ぶことができなくなってしまう。
たまにはこういう特別な時間帯で働くのも良いが、やはりなるべくなら多くの人が働いている9時から5時を絡めて仕事をするのが一番いい。
働く時間に関して始めのうちは、いろいろと見たり聞いたりするためにも、一番早く来て一番遅く帰るぐらいの気持ちは持っていた方がよい。
今はもうほとんどそんなことはないが、以前は僕もボスも早い時間に職場に来ていて朝の誰もいないラボでボスと二人で秘密のディスカッションをしたものである。
また、たとえアメリカといえども、一番遅く来て一番早く帰る人に対する印象はあまり良いとは言えない。
しかし、働く時間があまりに短すぎるのは良くないと思うが、ただだらだらと長く働きすぎても意味がない。
日本にいるときとは違って、ボスより早く帰ったら印象が悪くなるということはないので、やることがない場合にはぱっと帰ってもなにも問題はない。
また、週末に関しては、ボスによっては働くことを要求する人もいる。
こればっかりは、実際留学してみないとわからないことが多い(留学前に聞くこともできるが、休みのことばかりを気にしているようでなかなか聞くのは難しいと思われる)。
実際はどういう時間帯で働いたら良いかはそのラボの環境(またはボスの好み)によるので、どういうバランスで働くのが良いのかは一概には言えないが、一生懸命働いて結果を出してさえいれば、長時間職場にいる必要はないというのが僕の印象である。
<つづく>
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