<前回のポストからの続きです>
ここで言う結果を出すということは、論文を書くということである。
どんなにきれいなデータを出そうが、どんなにいい発表を学会で行おうが、それが論文という形に残っていなければ、この業界では何もしていないのと同じ。
留学中に論文が出ていなければ、留学中に何もしなかったことと同じである。
逆に言えば、例えたいしたことのない内容であっても論文になっていればそれは、立派な業績(結果)なのである。
そしてこの結果をもとにして、ボスはラボを継続していくためグラントをとっていくのである。
お金がたくさんあってグラントを焦ってとらなくてもいいような、有名ラボでは論文の質にこだわるため、あまり内容が薄いような仕事は論文にさせてくれないかもしれない。
しかし、中小企業ラボでは、たとえインパクトファクターは低くとも多くの論文を出した方がボスは喜ぶものである。
大きな仕事狙うのは夢があっていいかもしれないが、留学中に仕事として完結しない(論文にならない)ことも多い。
帰国後に共著者としてその論文に載せてもらえるかもしれないが、例え有名な雑誌に論文が載ったとしても、それはもう既に自分の仕事ではなくなっている可能性が高い。
従って、留学中には論文を出版させることを一番の目的にして働いて欲しい。
うちのラボでは新しいポスドクを雇い入れる段階で、彼らにレビュー論文(総論:簡単に言うと現在までの発見を教科書のようにまとめたもの)を含めて、年間2本の論文を書き上げること(出版ではない)を課している。
これはちょっと厳しいという見方もあるが、これくらいの高い目標にしておかないと全く論文がでないままただだらだらと実験を続けていくことになってしまう。
やはり留学は結果(論文)がすべてなので、例えボスに何も言われなくても、一年に最低でも一本は論文を完成させるつもりで働く。
これが、研究留学を成功させるこつである。
<つづく>
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