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Thursday, December 20, 2012

ラボでの働きかた(6)

<前回のポストからの続きです>

いざ実験を行う段階になったら、一気に片を付けてしまいたいところだが、現実はそんなに甘くはない。

思ったような結果がでないことなんてざらである。

そんなときに自分の手技や実験方法に問題があるのか、それとも仮説に問題があるのかあとで検討できるように、実験ノートにはそのとき行ったことを事細かく記していく必要がある。

多くの場合はラボにあるプロトコールに添って実験を行っていくのだろうと思うが、毎回条件が同じであることはあり得ない。

時には、30分反応させなくてはいけない部分を時間の関係で20分の時点で反応を止めて次のステップに移行しなければならないことがあるかもしれない。

もしそれでも結果に差がなければ、その反応時間は20分に減らすことができるはずである。

これによって10分得することになる。

しかし、そういうことをノートに書いていなければ、あとで検証することもできないし、プロとコールが改善していくこともない。

プロトコールとは、 実験を手伝ってくれる人(ラボテクニシャンや学生など)誰もが同じ実験をすれば自分と同じような結果が出せるように作られている実験の説明書であって、それがその実験の完成型ではない。

従ってプロトコールには改善できる点はたくさんあるはずである。

様々な技術が進歩している中で、例えば5年も10年も実験のプロトコールが改善されないなんてことはあり得ないのである。

僕はプロトコールとは従うべきものではなく変更していくものだと思っている。

研究者として留学したのであれば、始めからそのラボに伝わるプロトコールに従うのではなく、なんとか改善できる点はないのか考えながら実験を進めていくと良いと思う。

以前にいたラボの方法を適応するもよし、インターネットで新しい方法を探すもよしである。

もし、自分なりの新しい実験方法が編み出せたら、それをネタに論文を書くことだってできる。

こうなったら自分とラボ両方にとって業績になるし、WIN-WINの関係である。

また、研究していて一番楽しい時間とは、このようにいろいろと考えて新しいことを試していくときだったりするのである。

留学中にラボからいろいろと学ぶことも大切ではあるのだが、その一方で、このようにして少しでもラボのシステムを改善してくことで、ラボに貢献できるようにすることも大切である。

少しでもラボに必要とされる人材になることが留学を成功させるこつでもある。

<つづく>


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