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Wednesday, December 19, 2012

ラボでの働きかた(5)

<前回のポストからの続きです>

ここでちょっと前後していまうが、論文を書くためにはそもそもストーリーが展開できるようなデータがないといけない。

もちろんそのためにはたくさん実験をしなくてはいけないのだが、ただ闇雲に実験をこなして大量のデータを生産するやり方はあまりスマートではない。

実験を一つするにも材料費や人件費などお金はかかるので、論文を書く場合とは反対に、実験を行うときには量より質を重視した方が良い。

また、質の高い実験をすることによって、必然的に論文を書くことへの最短ルートをとることができる。

ボスからテーマを与えられたからといって、やる気を見せようとすぐに実験を始めてはいけない。

まずはじっくりそのテーマから導きだされるであろう結論を考察し、そこに向かうためにどのようにストーリーを展開していけば良いのかを想像するところからスタートしなければいけない。

そのためのアイデアとして、僕がよく自分の学生や同僚に薦めているのは、データのない状態で既に論文のように図を作ってしまうのである。

僕はこれを“フェイクペーパー”と呼んでいる。

簡単に言うと、やりたい実験を想像して、そこから得られるであろう結果に対する想像上のグラフや写真などを紙に手書きしてしまうのである。

IKEAの家具やプラモデルも設計図がなければ作るのは難しいが、設計図さえあればあとはそれにそって組み立てていくだけ。

つまり実験も設計図さえあればさほど難しくはないはずなのである。

これの利点としては、文章を書いていく訳ではないのでたいして時間もかからないわりに、自分がいきたい方向性がわかるので実験計画にぶれがなくなるし、ビジュアルに訴えるので他の人(主にボスに)に対して説得もしやすいので一石二鳥である。

そして、ボスとのディスカッションを経てある程度フェイクペーパーが完成したら、あとは実際に実験をして自分の仮説が正しかったかどうかを確かめていけばいいだけである。

また、途中で仮説が間違っていることが判明したら、そこからまたフェイクペーパーを作りなおして計画を練り直せば良いのである。

しかし、ここで忘れてはいけないのは、データを出して論文にすることが一番の目的であるということ。

自分で手を動かして実験するよりも、このように仮説をたてて想像していくことの方が楽しいので、想像ばかりに走ってしまうこともあるが、想像と実験のバランスを効率よく考えてラボの中で動いていって欲しい。

<つづく>


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