<前回のポストからの続きです>
これは友達に聞いたことなのだが、特に数字が絡む交渉では先に数字をいってしまったらその交渉は負けらしい。
ちょっと打算的な話になるが、給料交渉などのときにすぐに自分からいくら欲しいか言ってはいけない。
話の流れで「いくら欲しい?」と聞かれたら、まずはいくらぐらいまでなら相手が出せるのかを探る。
先にいくらと金額を出してしまったらそこからの大幅な上昇はないが、相手が出してきた金額より少し多めに言えばその要求は通ることが多いらしい。
しかし、相手が交渉の素人である場合は少ないので、必ずしも相手が先に数字を言ってくれる訳はなく自分が先に言わざるを得ないときが多い。
時と場合にはよるが、そういうときはそのポジションや勤務年数に対する給料の平均よりちょっと上に言うと良い。
そのためにはそのポジションに対するだいたいの平均の給料を知っておかなくてはいけないのだが、アメリカの大学機関では基本的に給料は公開されているので自分の給料が適正なのか一度調べておくのも良いかもしれない。
もし、自分の給料があまりに低いようなら、今後長く居続けるべきかどうかの判断材料にもなると思う。
このように数字が絡む交渉になりそうなとき(たとえそれが給料でなくても)は、事前にどのくらいの数字を提示されそうなのかを調べておくことは、交渉を成功させる上での基本である。
交渉にもいろいろテクニックはあるようだが、一番大切なことは主張や交渉をする前にボスに自分の働きぶりを認めさせ、長く雇うに値すると思わせることである。
そうすれば、テクニックなどに頼らなくても相手がこちらの要求(無理な要求でなければ)をのんでくれることが多い。
何度も言うようだがまずは一生懸命働こう、それが留学における交渉での成功の秘訣である。
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2006年9月からアメリカ中西部の小さな街にある某大学で研究生活を送っています。 気がついたらあっという間に6年が経とうとしています(2012年7月現在)。 アメリカでの経験をどこかで伝えていったら面白いかな?と思い、今更ながらブログを始めることにしました。 自分の海外での奮闘生活が、少しでも多くの人の留学してみたいと思うきっかけになってくれたらいいなぁ。 まぁたまには、研究生活と関係のない話も出てくるかとは思いますが、そこはどうかお見逃しください。
Wednesday, February 27, 2013
Tuesday, February 26, 2013
交渉術(3)
<前回のポストからの続きです>
適度に主張していくのは必要なことではあるが、主張もしすぎるのはあまり好ましいのもではない。
特に何も成し遂げていない状態で主張や交渉を始めるのはいただけない。
アメリカでは主張していくことが当たり前とはいえ、これではただの文句の多い人間だと思われてしまう。
何事にも順番が大事なのである。
例えばラボで働きはじめて始めてすぐにヴィザのサポートを頼むとかいうようなことはできれば避けた方が良い。
ヴィザが切れるまでに時間が全然なかったとしてもまず始めは一生懸命働いてヴィザをサポートするにふさわしい人間だと証明しなくてはいけない。
たとえそれが短期間であったとしても、いきなりヴィザの話を始めるよりは効果的である。
しかも雇う側の人間としては、よく働く人にはその人が働きやすい環境を提供してあげたくなるし、いろいろと声をかけてあげたくなる。
ここで「何か困っていることはないか?」と聞いてきてくれたらしめたものである。
この状態になったら主張は通りやすくなる。
しかし、ここでも要求や交渉はしない方が良い。
できれば、自分が何を求めているのかを相手に言わせるようにすると良い。
そうすればこちらから頼んだことではなくなるので、相手が実現してくれやすくなるし、何も前に進んでいなければどうなっているのか探りを入れやすくなる。
反対に自分から頼み込んだ場合は、相手もいやいややっている場合もあるし、すぐに取りかかってくれないことも多い。
<つづく>
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適度に主張していくのは必要なことではあるが、主張もしすぎるのはあまり好ましいのもではない。
特に何も成し遂げていない状態で主張や交渉を始めるのはいただけない。
アメリカでは主張していくことが当たり前とはいえ、これではただの文句の多い人間だと思われてしまう。
何事にも順番が大事なのである。
例えばラボで働きはじめて始めてすぐにヴィザのサポートを頼むとかいうようなことはできれば避けた方が良い。
ヴィザが切れるまでに時間が全然なかったとしてもまず始めは一生懸命働いてヴィザをサポートするにふさわしい人間だと証明しなくてはいけない。
たとえそれが短期間であったとしても、いきなりヴィザの話を始めるよりは効果的である。
しかも雇う側の人間としては、よく働く人にはその人が働きやすい環境を提供してあげたくなるし、いろいろと声をかけてあげたくなる。
ここで「何か困っていることはないか?」と聞いてきてくれたらしめたものである。
この状態になったら主張は通りやすくなる。
しかし、ここでも要求や交渉はしない方が良い。
できれば、自分が何を求めているのかを相手に言わせるようにすると良い。
そうすればこちらから頼んだことではなくなるので、相手が実現してくれやすくなるし、何も前に進んでいなければどうなっているのか探りを入れやすくなる。
反対に自分から頼み込んだ場合は、相手もいやいややっている場合もあるし、すぐに取りかかってくれないことも多い。
<つづく>
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Wednesday, February 20, 2013
交渉術(2)
<前回のポストからの続きです>
まず始めのポイントとして、今後いろんなことで交渉を進めていくためには自分の主張をしていかなくてはいけない。
これは遠慮や謙遜といった文化のある日本人に取っては苦手なことだと思う。
しかし、自己主張を全くしないでアメリカでストレスなく生きていくのは結構難しい。
特にアメリカでは日本のように阿吽の呼吸というものは存在せず、仕事上で困っていることや不満に思っていることがあっても、それをボスが勝手に察してくれることはほとんどない。
これはボスという仕事が忙しいためそこまで気にかけている余裕がないということも一つの要因であるが、それだけでなく意外と単に気がついていないということが多い。
だから不満などがある場合は日頃からこまめにアピールしていくことは大切である。
また日本のように年功序列という分かもないので、上司に不満を言ったりすることが失礼に当たるということもない。
だからといって攻撃的になっていいという訳ではない。
それなりのリスペクトを持った態度であれば、自分を主張していくことは悪いことではない。
ここでちょっと矛盾してしまうかもしれないが、交渉をうまくすすめるためのテクニックとしては、主張をするのはいいがすぐに交渉を始めるのは控えた方がいい。
例えば、「ここ1ヶ月忙しくて週末も働いているから疲れている。」というのは良いが、「ここ1ヶ月忙しくて週末も働いているからバケーションが欲しい。」と始めてはいけない。
そのときの1回はいいかもしれないが、この手を頻繁に使うと要求が多いやつだと思われてしまうので後々損をすることになる。
<つづく>
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まず始めのポイントとして、今後いろんなことで交渉を進めていくためには自分の主張をしていかなくてはいけない。
これは遠慮や謙遜といった文化のある日本人に取っては苦手なことだと思う。
しかし、自己主張を全くしないでアメリカでストレスなく生きていくのは結構難しい。
特にアメリカでは日本のように阿吽の呼吸というものは存在せず、仕事上で困っていることや不満に思っていることがあっても、それをボスが勝手に察してくれることはほとんどない。
これはボスという仕事が忙しいためそこまで気にかけている余裕がないということも一つの要因であるが、それだけでなく意外と単に気がついていないということが多い。
だから不満などがある場合は日頃からこまめにアピールしていくことは大切である。
また日本のように年功序列という分かもないので、上司に不満を言ったりすることが失礼に当たるということもない。
だからといって攻撃的になっていいという訳ではない。
それなりのリスペクトを持った態度であれば、自分を主張していくことは悪いことではない。
ここでちょっと矛盾してしまうかもしれないが、交渉をうまくすすめるためのテクニックとしては、主張をするのはいいがすぐに交渉を始めるのは控えた方がいい。
例えば、「ここ1ヶ月忙しくて週末も働いているから疲れている。」というのは良いが、「ここ1ヶ月忙しくて週末も働いているからバケーションが欲しい。」と始めてはいけない。
そのときの1回はいいかもしれないが、この手を頻繁に使うと要求が多いやつだと思われてしまうので後々損をすることになる。
<つづく>
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Tuesday, February 19, 2013
交渉術(1)
ここでは日本人として留学を有意義にするためにどういうことができるかについて触れていきたいと思う。
<それでは、はじまりはじまり>
おそらく多くの人がアメリカに抱いているイメージは、みんな自己主張が激しく何でも言ったもの勝ちとういところではないだろうか。
まぁ確かにそういう部分はあるにはあると思う。
しかし、いくらアメリカといえども根拠のない強引な主張が何度も通る訳はなく、1回はうまくいったとしてもそういうことが永遠に続くことはまずあり得ない。
やはり仕事もしないくせに主張ばかりする人間は嫌われる。その一方で何も文句を言わない人(比較的日本人に多いと思う)があまり良くない条件で馬車馬のように働いて、口ばかりの人が好条件で楽をして働いているという構図もない訳ではない。
僕もこれで悩んだこともあったし、周りの人にもっと主張しろといわれたこともあった。
しかし、ただ主張するだけではあまり働かない人たちと一緒になってしまうので、僕の場合は結果を出しつつ少しずつ自分のいいたいことを言うようにしていった。
それらの経験を踏まえここでは主張することが苦手な日本人として、どのようにしたら様々な条件を自分に有利にすすめていくことができるかに僕なりの焦点を当てていきたいと思う。
これは僕自身が留学してから独自に学んでいったことなので正解なのかどうかは定かではないのでその辺はご了承を。
また交渉しなければいけない場面というのは留学に限ったことではなく、日本にいたとしてもこれから往々にして出会うことが多いと思うので、留学者以外の人も参考にしてみて欲しい。
<つづく>
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<それでは、はじまりはじまり>
おそらく多くの人がアメリカに抱いているイメージは、みんな自己主張が激しく何でも言ったもの勝ちとういところではないだろうか。
まぁ確かにそういう部分はあるにはあると思う。
しかし、いくらアメリカといえども根拠のない強引な主張が何度も通る訳はなく、1回はうまくいったとしてもそういうことが永遠に続くことはまずあり得ない。
やはり仕事もしないくせに主張ばかりする人間は嫌われる。その一方で何も文句を言わない人(比較的日本人に多いと思う)があまり良くない条件で馬車馬のように働いて、口ばかりの人が好条件で楽をして働いているという構図もない訳ではない。
僕もこれで悩んだこともあったし、周りの人にもっと主張しろといわれたこともあった。
しかし、ただ主張するだけではあまり働かない人たちと一緒になってしまうので、僕の場合は結果を出しつつ少しずつ自分のいいたいことを言うようにしていった。
それらの経験を踏まえここでは主張することが苦手な日本人として、どのようにしたら様々な条件を自分に有利にすすめていくことができるかに僕なりの焦点を当てていきたいと思う。
これは僕自身が留学してから独自に学んでいったことなので正解なのかどうかは定かではないのでその辺はご了承を。
また交渉しなければいけない場面というのは留学に限ったことではなく、日本にいたとしてもこれから往々にして出会うことが多いと思うので、留学者以外の人も参考にしてみて欲しい。
<つづく>
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Saturday, February 9, 2013
ヴィザについて(8)
<前回のポストからの続きです>
海外に留学するということは、海外に長期に合法に滞在するということ。
そのためには、ヴィザの問題は決して無視できない。
しかし、多くの人がこの問題を軽視しているように感じる。
書類の不備やなんとか抜け道をしようと画策したことが発覚し、入国の段階で強制帰国させられた人たちも何人か見てきた。
また、ヴィザが切れるのがわかっていながら直前まで何も行動せず、ギリギリになってあたふたしている人がなんと多いことだろうか。
今まで見た中で最悪な例は、ある事情でラボを移籍しなくてはいけなくなったのだがヴィザが切れる1週間前になっても次の職場が見つからず、そのときになって突然そのときのラボのボスにヴィザの延長を頼みにきたというもの(ラボを動かなくてはならない状態になったのは約2ヶ月前だった)。
雇い主側としても、助けてあげたい気持ちはあったのだが、あまりに直前すぎて何もできず最終的に帰国するはめになった。
また一方で、アメリカに留学してこの国が好きになり、もっと長く滞在したいと思う人たちも大勢いる。
しかし、多くの場合は、ヴィザの更新や変更がかなわず帰国を余儀なくされている。
アメリカに移民したい人が多い中国人やインド人などと比較すると日本人の場合はヴィザが却下される確率はかなり低いので、早い段から計画性を持っていれば日本人が合法に長期滞在できる可能性はかなり高いと思う。
ここでは触れていないが、仕事で取る以外にも結婚や抽選でグリーンカードを入手する方法などもあるのでそれも一つの選択肢として考えておいてもいいだろう。
今現在の段階では研究者に対してはヴィザが比較的とれやすい状況であるが、これがいつ変わるかわからないので何度も言うようだが留学する時点でどのような方向でヴィザを更新/変更していくかもしっかり考えておいて損はない。
留学の基本は勉強や仕事のはずなので、ヴィザの問題でそれらに支障が来たのではもったいない。
なので、永住権や市民権を獲得するまでは、ヴィザに関してアンテナを張ってそれらの不安を少しでも軽減できるよう早めに対応していくことが留学を成功させる上での一つの秘訣である。
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海外に留学するということは、海外に長期に合法に滞在するということ。
そのためには、ヴィザの問題は決して無視できない。
しかし、多くの人がこの問題を軽視しているように感じる。
書類の不備やなんとか抜け道をしようと画策したことが発覚し、入国の段階で強制帰国させられた人たちも何人か見てきた。
また、ヴィザが切れるのがわかっていながら直前まで何も行動せず、ギリギリになってあたふたしている人がなんと多いことだろうか。
今まで見た中で最悪な例は、ある事情でラボを移籍しなくてはいけなくなったのだがヴィザが切れる1週間前になっても次の職場が見つからず、そのときになって突然そのときのラボのボスにヴィザの延長を頼みにきたというもの(ラボを動かなくてはならない状態になったのは約2ヶ月前だった)。
雇い主側としても、助けてあげたい気持ちはあったのだが、あまりに直前すぎて何もできず最終的に帰国するはめになった。
また一方で、アメリカに留学してこの国が好きになり、もっと長く滞在したいと思う人たちも大勢いる。
しかし、多くの場合は、ヴィザの更新や変更がかなわず帰国を余儀なくされている。
アメリカに移民したい人が多い中国人やインド人などと比較すると日本人の場合はヴィザが却下される確率はかなり低いので、早い段から計画性を持っていれば日本人が合法に長期滞在できる可能性はかなり高いと思う。
ここでは触れていないが、仕事で取る以外にも結婚や抽選でグリーンカードを入手する方法などもあるのでそれも一つの選択肢として考えておいてもいいだろう。
今現在の段階では研究者に対してはヴィザが比較的とれやすい状況であるが、これがいつ変わるかわからないので何度も言うようだが留学する時点でどのような方向でヴィザを更新/変更していくかもしっかり考えておいて損はない。
留学の基本は勉強や仕事のはずなので、ヴィザの問題でそれらに支障が来たのではもったいない。
なので、永住権や市民権を獲得するまでは、ヴィザに関してアンテナを張ってそれらの不安を少しでも軽減できるよう早めに対応していくことが留学を成功させる上での一つの秘訣である。
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Friday, February 8, 2013
ヴィザについて(7)
<前回のポストからの続きです>
ヴィザの問題だけではなく研究がうまく行かないからという理由で途中から臨床に鞍替えしようとする人もいるが、これはもってのほか。
しかも途中で変更するということは、アメリカに来てから国家試験の準備をするということになる。
中には研究そっちのけでいきなりラボの中で試験勉強を始め、試験勉強のために長期休暇をとる人たちもいる。
雇い主であるボスは基本的に研究に専念して欲しいはずなので、このような態度はあまり歓迎されない。
僕の知り合いの中国人は以前から貯めてあった2ヶ月ほどの有給休暇をこの国家試験のために一気に取り、ボスたちから反感を買っていた。
こういうことをするとボスからの信頼を失い、その後ラボでかなり肩身の狭い思いをするのではないかと思う。
従ってもし試験勉強をしたいのであれば、研究はしっかりやりつつ自分の時間を削って(早朝や深夜など)勉強していくしかない。
また、臨床医が研究留学にくる場合は、医学部の卒業からかなりの時間が経っていることが多い。
これは選ぶ科にもよると思うが、こちらの研修医の研修機関は医学部卒業から時間の経っている医師を研修医として取ることをあまり好ましく思っていないので、たとえライセンスが取れたとしても、研修医として研修施設にマッチできるかどうかは解らない。
卒業後10年ぐらい立っていた知り合いは、ライセンス取得後200ぐらいアプリケーションを送ったらしいが、一つもいい返事が来ず臨床医としての道をあきらめていた。
また他には、研修医もこなしフェローもやってこれからというときにヴィザが変更できず泣く泣く帰国していった知り合いもいる。
このように、こちらで臨床医を長いスパンでやっていくのは、年齢やヴィザの問題などもあり結構大変なようである。
しかし、全部が全部だめな訳ではない。
今までで見た一番の成功例は、自分が学びたい技術を行っている科にフェローとして入り込み、2−3年したら帰国というパターンだ。
だから、もしアメリカですぐにでも臨床を学びたいのであれば、研究を経ずフェローとして留学できる道を探しヴィザが切れたら帰るという方向で考えていくのがいいのかもしれない。
もしくは、どうしても長期に臨床医をやりたいようであれば研究を頑張ってグリーンカードを手に入れてから臨床医に変更するというのがもしかしたら一番賢い方法なのかもしれない。
<つづく>
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ヴィザの問題だけではなく研究がうまく行かないからという理由で途中から臨床に鞍替えしようとする人もいるが、これはもってのほか。
しかも途中で変更するということは、アメリカに来てから国家試験の準備をするということになる。
中には研究そっちのけでいきなりラボの中で試験勉強を始め、試験勉強のために長期休暇をとる人たちもいる。
雇い主であるボスは基本的に研究に専念して欲しいはずなので、このような態度はあまり歓迎されない。
僕の知り合いの中国人は以前から貯めてあった2ヶ月ほどの有給休暇をこの国家試験のために一気に取り、ボスたちから反感を買っていた。
こういうことをするとボスからの信頼を失い、その後ラボでかなり肩身の狭い思いをするのではないかと思う。
従ってもし試験勉強をしたいのであれば、研究はしっかりやりつつ自分の時間を削って(早朝や深夜など)勉強していくしかない。
また、臨床医が研究留学にくる場合は、医学部の卒業からかなりの時間が経っていることが多い。
これは選ぶ科にもよると思うが、こちらの研修医の研修機関は医学部卒業から時間の経っている医師を研修医として取ることをあまり好ましく思っていないので、たとえライセンスが取れたとしても、研修医として研修施設にマッチできるかどうかは解らない。
卒業後10年ぐらい立っていた知り合いは、ライセンス取得後200ぐらいアプリケーションを送ったらしいが、一つもいい返事が来ず臨床医としての道をあきらめていた。
また他には、研修医もこなしフェローもやってこれからというときにヴィザが変更できず泣く泣く帰国していった知り合いもいる。
このように、こちらで臨床医を長いスパンでやっていくのは、年齢やヴィザの問題などもあり結構大変なようである。
しかし、全部が全部だめな訳ではない。
今までで見た一番の成功例は、自分が学びたい技術を行っている科にフェローとして入り込み、2−3年したら帰国というパターンだ。
だから、もしアメリカですぐにでも臨床を学びたいのであれば、研究を経ずフェローとして留学できる道を探しヴィザが切れたら帰るという方向で考えていくのがいいのかもしれない。
もしくは、どうしても長期に臨床医をやりたいようであれば研究を頑張ってグリーンカードを手に入れてから臨床医に変更するというのがもしかしたら一番賢い方法なのかもしれない。
<つづく>
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Thursday, February 7, 2013
ヴィザについて(6)
<前回のポストからの続きです>
ちょっとヴィザの話とはずれてしまうかもしれないが、これを見ている人の中には研究で留学して途中で臨床に変更しようと考えている臨床医の人もいると思うので、それについてちょっとここで触れておきたいと思う。
結論から言うと研究で留学して帰国前に1−2年臨床にも触れてから帰りたいというのなら可能であるが、臨床医としてこっちで生きていきたいと考えていたらこの経路は想像以上に難しい。
まずアメリカで臨床医として働くためには何が必要かというと、やはりアメリカの医師免許。
日本の医師免許があればこちらの国家試験であるUMLSEを受けることは可能なので、アメリカで医学部をでる必要はなく理論的には短期間でアメリカの医師免許は取得できる。
日本でも同様であるが、アメリカでは医師免許を取ってからまずは研修医として数年過ごし、そこからフェローになって経験を積み、それらが終わってやっとスタッフドクターとして働くことができる。
残念ながら日本での研修はこちらではカウントされないので、スタッフドクターとして長期に働いていくためにはこちらでも研修医をやりなおさなければならない。
しかし、そこには例外があって、短期間なら研修医を経ずいきなりフェローとして働くことはできる。
しかし、フェローが終了してもそこから上に上がることはできず、スタッフドクターになるためには結局研修医をやらなくてはいけない。
じゃあ研修医から始めればいいじゃないかという意見もあるかと思うが、ここでヴィザの問題が出てくる。
臨床での留学の場合、雇用主となる病院は基本的には労働ヴィザやグリーンカードをサポートはしてくれず、だいたいの場合はJ1ヴィザで滞在することになる。
J1ヴィザには研究用と臨床用の2種類あるようで、そこを変更できたとしてもJ1ヴィザの最長期間がリセットされる訳ではない。
例えば、J1ヴィザの最長期間が5年だとして(研究から臨床に変えたら全部で7年になったような記憶があるが定かではないので、皆さん自分で調べてみてください)研究で、2年ぐらい過ごしていたら臨床できるのはあと3年しかない。
研修医を終了するまではだいたい2−3年はかかると思うので、研修医が終わった頃にはJ1ヴィザが切れて帰国ということになってしまう。
<つづく>
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ちょっとヴィザの話とはずれてしまうかもしれないが、これを見ている人の中には研究で留学して途中で臨床に変更しようと考えている臨床医の人もいると思うので、それについてちょっとここで触れておきたいと思う。
結論から言うと研究で留学して帰国前に1−2年臨床にも触れてから帰りたいというのなら可能であるが、臨床医としてこっちで生きていきたいと考えていたらこの経路は想像以上に難しい。
まずアメリカで臨床医として働くためには何が必要かというと、やはりアメリカの医師免許。
日本の医師免許があればこちらの国家試験であるUMLSEを受けることは可能なので、アメリカで医学部をでる必要はなく理論的には短期間でアメリカの医師免許は取得できる。
日本でも同様であるが、アメリカでは医師免許を取ってからまずは研修医として数年過ごし、そこからフェローになって経験を積み、それらが終わってやっとスタッフドクターとして働くことができる。
残念ながら日本での研修はこちらではカウントされないので、スタッフドクターとして長期に働いていくためにはこちらでも研修医をやりなおさなければならない。
しかし、そこには例外があって、短期間なら研修医を経ずいきなりフェローとして働くことはできる。
しかし、フェローが終了してもそこから上に上がることはできず、スタッフドクターになるためには結局研修医をやらなくてはいけない。
じゃあ研修医から始めればいいじゃないかという意見もあるかと思うが、ここでヴィザの問題が出てくる。
臨床での留学の場合、雇用主となる病院は基本的には労働ヴィザやグリーンカードをサポートはしてくれず、だいたいの場合はJ1ヴィザで滞在することになる。
J1ヴィザには研究用と臨床用の2種類あるようで、そこを変更できたとしてもJ1ヴィザの最長期間がリセットされる訳ではない。
例えば、J1ヴィザの最長期間が5年だとして(研究から臨床に変えたら全部で7年になったような記憶があるが定かではないので、皆さん自分で調べてみてください)研究で、2年ぐらい過ごしていたら臨床できるのはあと3年しかない。
研修医を終了するまではだいたい2−3年はかかると思うので、研修医が終わった頃にはJ1ヴィザが切れて帰国ということになってしまう。
<つづく>
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Wednesday, February 6, 2013
ヴィザについて(5)
<前回のポストからの続きです>
ここでちょっと僕の経験談を。
僕の場合は、留学開始時に3年間有効のJ1ヴィザをサポートしてもらった。
J1ヴィザは5年まで延長できるのであるが、ちょうど最初のJ1ヴィザが切れる1年前ぐらい(留学して2年が経った頃)にH1Bヴィザへの変更をボスにお願いした。
(H1Bヴィザの申請時に、英語に翻訳された大学院時代の成績が必要で、それをまたさらにアメリカの大学と同等であると証明してくれる会社に証明書を発行してもらう必要があったので、もし可能であれば英語に翻訳された大学院時代の成績表などは早めに手に入れておくと良いと思う。)
そして留学3年が経った時期ぐらいにリサーチトラックのファカルティーに昇進させてくれるという話をボスからもらった。
留学4年目に入ってすぐ昇進が確定し、うちの大学の規定ではそのポジションであればグリーンカードを大学がサポートしてくれることが判明。
それを機にボスの好意でグリーンカードの申請を始めた。
僕は1回だけ弁護士に会っただけで、その後はたまにメールのやり取りをするだけであとの全ての雑務は弁護士が処理してくれて、その約1年半後にはグリーンカードが手に入った。
そして、かなりラッキーなことに、ほとんどの申請手続きや費用は大学が負担してくれた。
実は僕の家族は自分以外グリーンカード持ち(奥さんはかなり昔にグリーンカードを持っていた)やアメリカ人(うちの二人の子供はアメリカ生まれ)であるので合法にアメリカに長期滞在することさえできればいつかは僕もグリーンカードが手に入る環境にはいたのだが、家族に頼らず自分の力で取ったことはちょっとした誇りである。
僕の場合は基本的に全てボスが後押ししてくれたのでここまで早くグリーンカードを手に入れることが可能であった。
一生懸命働いてボスの信頼を早いうちに獲得できて良好な関係を形成できたことはとても良かったと思っている。
<つづく>
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ここでちょっと僕の経験談を。
僕の場合は、留学開始時に3年間有効のJ1ヴィザをサポートしてもらった。
J1ヴィザは5年まで延長できるのであるが、ちょうど最初のJ1ヴィザが切れる1年前ぐらい(留学して2年が経った頃)にH1Bヴィザへの変更をボスにお願いした。
(H1Bヴィザの申請時に、英語に翻訳された大学院時代の成績が必要で、それをまたさらにアメリカの大学と同等であると証明してくれる会社に証明書を発行してもらう必要があったので、もし可能であれば英語に翻訳された大学院時代の成績表などは早めに手に入れておくと良いと思う。)
そして留学3年が経った時期ぐらいにリサーチトラックのファカルティーに昇進させてくれるという話をボスからもらった。
留学4年目に入ってすぐ昇進が確定し、うちの大学の規定ではそのポジションであればグリーンカードを大学がサポートしてくれることが判明。
それを機にボスの好意でグリーンカードの申請を始めた。
僕は1回だけ弁護士に会っただけで、その後はたまにメールのやり取りをするだけであとの全ての雑務は弁護士が処理してくれて、その約1年半後にはグリーンカードが手に入った。
そして、かなりラッキーなことに、ほとんどの申請手続きや費用は大学が負担してくれた。
実は僕の家族は自分以外グリーンカード持ち(奥さんはかなり昔にグリーンカードを持っていた)やアメリカ人(うちの二人の子供はアメリカ生まれ)であるので合法にアメリカに長期滞在することさえできればいつかは僕もグリーンカードが手に入る環境にはいたのだが、家族に頼らず自分の力で取ったことはちょっとした誇りである。
僕の場合は基本的に全てボスが後押ししてくれたのでここまで早くグリーンカードを手に入れることが可能であった。
一生懸命働いてボスの信頼を早いうちに獲得できて良好な関係を形成できたことはとても良かったと思っている。
<つづく>
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