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Friday, August 31, 2012

英語の勉強法などなど(3)

<前回のポストからの続きです>

では、留学前にはどのような準備をしておけばいいのだろう?

まず、留学を決めたら、その時点から最低でも週1回は英会話教室に通って英語に慣れ親しもう

英語本を買って勉強するとか、英語のテープやラジオを聞くという手もあるかもしれないが、それらは自分の好きな時間に勉強できるという利点がある反面、相互の会話をまったく必要としない。

忙しいかもしれないがなるべく英会話教室に入って、会話するという勉強をした方がいいと思う。

それと平行して本を読んだり、ラジオを聞いたりすれば、英語はみるみる上達していく。

しかし、ここで一旦現実に戻りましょう。

日本にいる間に英語の勉強をスタートしていて間違いはないが、ただそれだけではしゃべれるようには全くならない。何もしていないよりはましというレベルのものである。

考えても見てほしい、例え週1回1時間(多くても2時間?)を英会話に費やしたとても、ほぼ残りの99%の時間は日本語にさらされているのだから、普通に考えて英語がうまくなる訳がない。

ぶっちゃけた話、英語がうまくなっていくのは、まわりから英語しか聞こえてこない環境に入ってから、つまり留学後である。

じゃあ、日本にいるときに勉強をやる意味はないのかと言われたら、そんなことはない。

この下地があるとないとでは、留学後の伸びが格段に違ってくるので、あきらめずに日本にいるときからどんな方法でもいいので少しでも英語に触れる努力はしておこう。

<つづく>


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英語の勉強法などなど(2)

<前回のポストからの続きです>

でも、英語ができないからといって海外に出ることを恐れる必要は全くない。

外国人とコミュニケーションとる方法なんていくらでもある。

始めは紙に文字を書いたっていいし、ジェスチャーを使ったっていい。

要はコミュニケーションを取りたいと思う気持ちだと思う。

そして、ぶっちゃけて言うと日本で全く英会話をやっていなかったという人でも、英語でしゃべって意思疎通を図るということに関しては留学してからでもなんとかなっている。そのような知り合いは周りにたくさんいるし、それでもみんな異国の地でなんとか生活している。そして、かなりの確率で海外生活をエンジョイしている。

でも、それは生活する上でというだけの話で、残念ながら英語が自由自在に話せて、アメリカ人の研究者と仕事上の議論を交わせるというレベルの話ではない。

もし楽しく充実した留学生活を送りたいのであれば、英語でたくさんの人とコミュニケーションが取れるにこしたことはないし、逆にそれができなければ、海外にわざわざ留学にきている意味はない。

だから、もし留学をしようと志して、またそれを有意義なものにしたいと思ったのなら、相当な危機感を持って日本にいる間に少しでも英会話の勉強を始めておきましょう

明日からはじめるのでなく、今日この日から、いや今すぐにでも。

<つづく>


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Wednesday, August 29, 2012

英語の勉強法などなど(1)

それでは、日本人の多くが留学する際に不安に思っているであろう英語にまつわる問題を自分の経験もふまえて考察し、それを克服するために行った僕なりの英語の勉強法を紹介してみます。

<それでは、はじまりはじまり>

日本人の多くが海外に留学することに対して不安に思っていることは英語に関してだと思う。

帰国子女や英語が仕事でどうしても必要という人たちは別にして、英語の読み書きはなんとかできるが、英語で会話となったらてんでだめという人が大半なのではないだろうか。

実際、日本で普通に生活している分には英語でしゃべる機会なんてほとんどないし、日本の英語教育が英会話に重点を置いていないのだから、英会話ができなくてもしょうがない。

そして、英語の知識自体はそれなりにあるのだから、現地に行ってしまえばなんとかしゃべれるだろうと楽観的に構えて英会話の勉強に真剣に取り組めないのもわからないでもない。

しかし、これから海外留学してみようと思っているみなさんに声を大にしていいたいのは、“英会話はそんなに簡単ではないですよ。”ってこと。

かくいう自分も日本にいた頃は、他の言語を使って会話をしていく大変さは全く想像できていなかった。

海外旅行に行ったときに結構通じたし、1年間ぐらいアメリカで生活すれば英語なんて簡単にしゃべれるようになるのだろうと思っていた。

しかし、現実は全く違っていた。

アメリカ生活が6年になった今でもペラペラというにはほど遠い。まぁ実際はネイティブではないのだし、一生かかってもペラペラにはならないとは思うけど。

<つづく>


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Monday, August 27, 2012

留学先の決め方(6)

<前回のポストからの続きです>

最近の景気の悪さを考慮すると、海外からの留学者にインタビューの為に旅費などを提供してくれるラボはそうそうないと思う。

しかし、自分の将来の職場を決めることなので、自腹を切ってでもとにかく一回は訪れるべきである。

もし留学してから自分に合わないということが判明したら最悪なので、メールや手紙だけで絶対決めてはいけない。

僕は今のラボに留学前に2回訪問した。ほんのちょっと訪れただけで、すべてがわかったとは思わないが、実際に自分の目で確かめてよかったと思っている。

もしどうしても資金が用意できないとか時間が取れないようであれば、最悪でも電話インタビューを提案してみて欲しい。

英語が苦手な人はインタビューや電話インタビューから逃げたくなる気持ちはわかる(僕も今でも電話で話すのは緊張する)が、留学してからは基本的に英語でコミュニケーションを取っていかなくてはいけなくなるので、練習と思ってチャレンジした方がよい。

また最近はスカイプを使ったインタビューも一般的になってきている。

顔を見て話すということは、電話で話すだけよりもいい印象を与えるので、もし可能であればスカイプインタビューも考慮してみてほしい。自分も今のラボでポスドクを採用する際にインタビューをスカイプで行うことがあるが、やはり顔を見て話すと情がわきやすくなり断りにくくなるものである。

その他に直接会うという方法としては国際学会で会うという手もある。

また、インタビューではちょっとだけの間だませたとしても、結局は長く一緒に働くことになるのだし、自分を偽らないように。

そして、もし可能なら、セミナーをさせてもらって自分をアピールするチャンスをもらうのもいいと思う。


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Sunday, August 26, 2012

留学先の決め方(5)

<前回のポストからの続きです>

また一方で、留学する前の自分は評価される側ではあるのだが、相手を評価するということも忘れてはならない。

行きたいラボの状況を知るために、パブメドで論文の発表頻度を調べたり、ラボのホームページなどをみたりして、よく吟味すること。

もし、ここ最近論文が発表されていなかったり、まめにホームページが更新されていなかったりするようなら、もしかしたらそのラボの最近の活動はあまり活発ではないのかもしれない。

アメリカの場合NIHから受け取っているグラントは、NIHのホームページで誰でも検索することができるので、ラボのボスのグラントの採択状況を調べてみるのもよい。

最近の厳しい景気状況では、潤沢な資金があるラボは少ないと思われるが、どのくらい先までグラントがあるのかを知ることはいいことだと思う。

例えいいアイデアや研究設備があったとしても、やはりお金がないことには研究を続けていくことは難しいのである。

このように最近はインターネットの発達のおかげで、日本に居ながらにしても大まかに海外のラボの状況をつかむことは可能にはなってきているが、やはり自分の目で確かめることは大事である。

ボスやラボの雰囲気が自分に合わない場合もあるので、最終判断は自分の目で確認してから留学先は決定して欲しい。“百聞は一見にしかず”なのである。

<つづく>


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Saturday, August 25, 2012

留学先の決め方(4)

<前回のポストからの続きです>

それでは、どんな留学先(研究者の場合はラボ)を選ぶのがいいのだろうか?

僕的にはその世界で有名というだけでラボを選ぶよりも、自分がやりたいことをやっているラボを選んだ方がいいと思う。

有名ラボのいいところは、まずそこのボスが有名人でその人と知り合いになれるということ。これは確かに将来的に大きなコネになるという点ではいいことかもしれない。また、インパクトファクターの高い雑誌に論文を載せることができる確率は高くなる。しかしその反面、そういった論文は自分が中心になって仕事をする(自分が論文の第一著者になる)というよりは、大きな仕事の歯車の一つとしての仕事(誰かの論文の共著者の一人になる)になってしまう可能性が高い。

その一方で、あまり有名ではない一般的なラボ(僕はこれを中小企業ラボと呼んでいる)は、人数が少ないことが多いため、自分が中心になって仕事をまわしていかなくてはならず忙しい反面、自分が第一著者としての論文は出やすい。残念ながらラボの規模が小さいためなかなか大きな仕事にはなりにくいのだが、もし大きな仕事が中小企業ラボから出せたとしたら周りからすごく評価される。そこは工夫次第だと思う。また、そういったラボでは何でも自分でやらなくてはいけないので研究以外の雑用もある程度はこなさなくてはならない。これをいい風にとらえると、研究の技術的なこと以外にもいろいろと学ぶことができる。

あと、英語が苦手という理由だけで、日本人のボスのラボに行きたいと思う人もいると思う。ラボ内では、コミュニケーションに困ることはないかもしれないが、それでは異文化に留学をしにきている意味はないのかもしれない。結局日本にいるのと同じである。そのラボでどうしてもやりたいことがあるとか、教室同士のつながりでどうしてもそこに行くしか選択肢がないというのであればしょうがないと思うが、できれば日本人ボスのラボは第一選択にはせず、英語でコミュニケーションを取らなくてはいけないラボに挑戦した方がいいと思う。

どういうラボを選んでも良い面と悪い面はあるのだが、ラボ選びで一番大事にして欲しいことは、給料くれるところを探すということ

実際日本人は無給でも留学してしまうことがある。実は自分も始めはそうだったのだが、今考えると異常なことだったと思う。自分の場合はどうしても行きたかった留学先にそのときお金がなく、グラントが当たるまで待ってくれと言われたにもかかわらず、自分から無給でもいいので行きたいと無理矢理押し掛けてしまったので自業自得だった。運良く半年後にグラントが当たって給料が出るようにはなったが、正直無給の時の生活は厳しかった。

給料をくれるということは結局その人に対する評価でもある訳だし、長くいたいならたとえ金額が多くなくても給料をくれるところをなるべく探した方がいい

<つづく>


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Friday, August 24, 2012

留学先の決め方(3)

<前回のポストからの続きです>

例え知り合いの紹介であるとか、コネが見つかったからといって、そのときのラボの経済状態等の問題ですぐに採用とはいかないかもしれない。

しかし、これもコネ作りの一環と思って、マメに連絡は続けていった方がいいと思う。

今度海外の学会に行くけど、もし来るならそこで会えませんか?

とか

最近こんな面白い論文が発表されたけど、読みましたか?

とか話題は何でもいいと思う。

とにかく相手に忘れられないようにすることが大事。

もしかしたら今後グラントがあたったときに声をかけてくれるかもしれないし、ほかのいいラボを紹介してくれるかもしれない。

また、そのようなときに声をかけてもらえるように普段から論文を発表したり、海外の学会で発表したりと自分を売るためにもこつこつと業績を残していくことも大切である。

やはり、頑張っている人は、他人の目にも留まるし、往々にしてチャンスが転がってくるものである(と信じたい)。

また、もし可能であれば、日本にいる間に各種財団からのフェローシップに応募しておくとよいと思う。

例え当座のものであったとしても自分で留学資金を用意することができたなら、ほかの候補者たちよりも印象はよくなり、採用される可能性は高くなる。やはりどの世界でも、地獄の沙汰も金次第なのである。

<つづく>


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留学先の決め方(2)

<前回のポストからの続きです>

では、どうやって自分で探せばいいのだろうか?

矛盾しているようなのだが、やっぱりコネが一番大事。なんだかんだ言っても人と人とのつながりは侮れない。

自分の研究分野で興味があるラボに自分の履歴書を添えてコンタクトをとってみるというのも一つの手であるが、あったこともない外国人の就職活動にいい反応を示してくれるラボはあまりないと思う。やらないよりはましだと思うが、成功する確率はかなり低い。

もし以前に留学していた知り合いがいたら、雇ってもらえるかどうかは別としてその人が留学していたラボを紹介してもらうのもいいかもしれない。

僕の場合はこれに近い。自分が大学院生のときに学位論文をまとめている際、自分が参考にしている論文の多くが一つのラボから発表されており、”何となくここのラボのトップにあってみたいなぁ”と常々思っていた。

何かの拍子に、その研究者がいる施設に、たまたま知り合いがいることがわかって、その人を通じてその研究者に会うアポイントを取ることができた。

それが自分の留学先のボスである。

僕の場合はかなりラッキーな部分もあると思うが、探してみるとコネは意外と身近なところに転がっていたりする

しかし、コネの方から勝手に自分に近づいてくることはないので、常にアンテナを張り巡らせて、積極的に探していくことが重要である。

<つづく>


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Wednesday, August 22, 2012

留学先の決め方(1)

今日からは、どのように留学先を決めていったら良いかについての僕なりの考察をまとめていこうと思います。

<それでは、はじまりはじまり>

留学すると決めたからには、まずは留学先を選択しないと行けません。

それでは、一体どんな方法があるのでしょうか?

一番手っ取り早い方法は、自分が現在所属している教室に紹介してもらい留学先を決定してしまうということ。

もしこれが信用できる人からの紹介であれば、留学する側/留学者を受け入れる側両方に取ってあまり大きな失敗はしないのでとてもいい方法に思われます。

しかし、ここには大きな落とし穴があって、特に自分の教室からの紹介の場合は、留学前から研究内容や帰国時期が決まってしまっていることが多く、またごくまれにではあるが留学期間の途中であっても無理矢理日本に引き戻されてしまうということがあるらしい。

海外で研究をするというよりは、ちょっと海外で生活をしてみたいという人にはいいのかもしれないが、本腰を入れて海外で研究をしてみたいという人には、帰る時期が最初から決まってしまっているというのはあまりおすすめできません。

また、教室の人たちに仕事を残して留学してしまったという後ろめたさもあり、帰国した後にお礼奉公的なことをしないといけなくなる可能性もあるから、これから留学してみたいと思っている皆さんには、なんとかして自分の力で留学先を探してほしいと思う。

<つづく>


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Sunday, August 19, 2012

なぜ今留学?(6)

<前回のポストからの続きです>

アメリカに来てそろそろ6年が経とうとしている。

この6年間はあっという間だったような気もするが、じっくりと振り返ってみるとものすごくいろいろな出来事があって充実していた。そして、ものすごく昔からこの国に住んでいるような気もする。

しかしながら僕の海外留学という旅は、まだまだ未熟で始まったばかり。

それでも、少ないながらの留学経験をこれから留学しようと考えている人たちに伝えてあげることができるかもしれない。

しかしながら、これを読んでやはり留学をやめようと思う人もいるかもしれない。それはそれでいいと思う。

しかし、一人でも多くの人に留学のよさを伝え、一人でも多くの人が留学するという選択をしてくれて、それらの人たちにとっての海外留学が成功するための手助けになったら大変本望である。

特に長期にわたってアメリカで研究していきたい人にターゲットを絞っていこうと思うが、アメリカでの働き方という面では短期留学者や研究者以外の人の参考にもなると思う。

僕は日本では医者だったがこの国では医師としての資格はないので、医者の観点からの留学を語りたいと思うが、医学博士ポスドクとしての留学側代の中心になると思う。

また、どのように海外留学を進めていくかというマニュアルを求めている人たちにとってはかゆいところに手が届かず、物足りないかもしれないが、このブログが少しでも多くの人の海外研究留学のきっかけとなり、また留学生活の成功に貢献できることを願っている



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Saturday, August 18, 2012

なぜ今留学?(5)

<前回のポストからの続きです>

留学前に夢中になって読みふけった留学に関する本は、かなり参考にはなったのだが留学に関するマニュアル本的なものがほとんどであった。

実際、どうやって留学するかについてはかなり詳しく書いてあったのだが、留学してからの戦い方に関して書いてある本はほとんど皆無に等しかった。

アメリカに来てから強く思ったことは、日本にいるときと同じような仕事の仕方ではなかなか認めてもらえないということ。

特に日本と違って言葉でうまく伝えなくてもわかってくれるということは皆無に等しい

さらに多くの日本人は英語がうまくしゃべれずだまっていることが多いので、ものすごく頑張っても報われず、何もしていないよくしゃべる人間が得をするということも往々にしてある。

しかし、その一方でこの国はいい結果を出した人には更なるチャンスをくれる土壌(俗にいうアメリカンドリーム)はちゃんとある。

周りにいる留学している日本人を見ているとそのチャンスをつかむ前に帰国してしまっていることが多いように見える。もしかしたら、そういう人たちにとって留学は苦しくて楽しいものではなかったのかもしれない。そういう苦しい経験を目の当たりにしている日本に残っている研究者は留学に二の足を踏んでしまうのかもしれない。

実際、どういう風に働いたら海外で成功できるのかなんて誰も教えてくれないし、自分でもがき苦しんで探しだしていくものなのだとは思うが、もしそういうことが足かせになってになって留学をあきらめているのだとしたらそれは悲しいことだと思う。

僕自身思うことだが、苦労もあるけどやっぱり海外生活は楽しいし、多くの人に海外留学を経験してほしい

だから、これから海外に出て行こうと思っている研究者の人たちが同じような苦労をすることがないようにという思いと、彼らの道標になればという思いで、これまでの経験を書き記していこうと思ったがこのブログを書こうと思った動機である。

<つづく>


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Friday, August 17, 2012

なぜ今留学?(4)

<前回のポストからの続きです>

だからといって海外にただ遊びにいく訳には行かない。自分の経験を生かせる留学の方法を探さなくてはいけなかった。

しかし、そのときの僕にはどうやって留学していいのかがわからなかった。

だから、まずは本屋さんに行って医学留学に関する本をとにかく買い漁った。

そして、何冊か読むうちに医師としては、大まかに臨床医としての留学基礎研究者としての留学という二通りの道があることがわかった。

そのころ、僕は大学院で基礎研究に励んでいて、自分で仮説を立てて解いてそれを論文にまとめていくという研究者のスタイルが僕の性に合っているなぁと感じ始めていた。僕は研究者として自分の力がどれくらい通用するのか知りたいとも思い始めていた。また、かっこ良く理由付けをすれば、臨床医は目の前の患者さんを治すことができるが、研究者は未来の目に見えない何万人の患者さんの治療に貢献できるとも思っていた。

始めは悩んだが、最終的に僕は研究者として留学する決意をした

しかし、その頃の僕は海外留学に行くことが最大の目的になっていて、どうやったらアメリカに行くことができるかばかりを考えていて、アメリカに行ってからどうやって働いていくかなんてみじんも考えていなかった。

それはそれでよかったのだが、今になって思い返してみると留学前にそういう情報が少しでもあったら、

"僕のアメリカ研究留学生活ももっと楽だったかな?"

と最近ふと思う。

<つづく>


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なぜ今留学?(3)

<前回のポストからの続きです>

では、なぜ僕は留学しようと思ったのか。

僕は、日本にいた頃は小児科医として働いていた。毎日いろいろと考える余裕もなく、めまぐるしく働いていてそれなりに充実感はあったと思う。

しかし、あまりに忙しすぎた。

忙しすぎて患者を診るというよりは、ただ目の前にたまっている仕事をこなしている毎日だった。

日々の仕事に追われ、人生の目標を失ってしまっていた。

僕は何のために小児科になったのだろう?

子供が好きだったからではなかったのか?

そのときまだ自分の子供はいなかったが、朝早くから夜遅くまで病院で働いて、もし自分の子供ができたとしたら、

果たしてこの忙しさの中で自分の子供の面倒を見ることができるのだろうか?” 

とふと疑問に思ってしまった。

そして自分の子供の成長過程を見逃したら確実に後悔すると思った。

また、”自分の子供の面倒も見ることができない小児科医は本当に小児科医なのだろうか?” とも思ってしまったのだ。

頭では、医師とは自分の家族を犠牲にしても診療にあたらなくてはならないとは理解はしていたが、その当時の僕にはそれを心から受け入れることができなかった。

確証はないが、もしかしたら少し鬱の状態だったのかもしれない。

そこから逃げるという意味ではなく、環境を変えるために、一旦日本から出てみようと思った。

それが、僕が留学を考え始めた第一のきっかけである。

<つづく>


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Wednesday, August 15, 2012

なぜ今留学?(2)

<前回のポストからの続きです>

日本は世界でもまれに見る単一民族により形成されている国家であるという世界に誇れる素晴らしい点がある。しかし、それは裏を返せば多様性がないということにもつながる。

一方、これからのグローバル化されていく社会では、ますますあらゆる面での多様性が求められていくと思われる。

日本の科学技術や研究は今のところ世界に通用している様に見える。もしかしたら海外に留学なんてしなくても世界に通用する人材はそだっているのかもしれない。

また僕自身、他のアジア諸国の人から、”日本は国自体が豊かで最先端の研究も行われている国なのにどうしてわざわざアメリカに留学してくるのか?”とよく聞かれる。

しかし、ここ数年の環境の変化を見ていると、今後日本は他のアジアの国々に追い抜かれる可能性がかなりあると思う。

例えば、最近アメリカでは町中で韓国製の電化製品を見かけるようになった。特に韓国を比較対象にするつもりはないが、以前はホテルに設置されているテレビは日本製が多かったのに、今はほとんど韓国製である。町を走っている韓国車の割合もどんどん増えてきている。このままのほほんとしていては、日本は韓国に負けてしまうかもしれない。

さらに、中国やインドの勢いも日本にいるとあまり現実に感じていなかったが、実際にそれらの国の人と直に接してみると ”日本人には負けたくない” というものすごい執念を感じる。

特にこれからの若者には、海外に来て自分の目でこの現実を確かめて、危機感をもっと感じてほしい。

<つづく>


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なぜ今留学?(1)

さて、今日からは気持ちも新たに、なぜ今留学が必要なのかを、昔の自分を振り返りつつ、何回かに分けてちょっとまとめていきたいとと思います。そうすることによって、なぜ自分がこのブログを書こうと思ったかということも明らかにできると思います。

<それでは、はじまりはじまり>

ここ最近、日本からの留学生が減っていると報告されている。しかし、他のアジア諸国からの留学者は軒並み増加しているようである。

ニューヨークタイムスによると、2004年の段階で約8万3千人だった日本からの海外留学者は、2009年には約6万人に減少し、また、アメリカの大学への入学者は、約10年前に比べると半減し、2011年の段階で約2万人にまで減ってしまったそうだ。

その一方で、日本の約半分の人口しかない韓国からの入学者は約7万人に増加しているのだそうである。

確かに、僕のいる大学内を見回してみても、中国人、インド人、韓国人はよく見かけるようになったが、日本人を見かけることは減ってきたような印象がある。

その一因として、日本には留学によって学んだことを、帰ってから還元する土壌が今のところうまく機能していないように思われる。

もしかしたら留学することは、留学経験者の将来にとってかなりリスキーになってしまうのかもしれない。

また、ゆとり教育などの影響でリスクを冒そうという若者が減ってきているのかもしれない。

確かに留学には良い面と悪い面の両方がある。

例えば、今まで経験したことのない世界を垣間見られるという美点がある一方、今の日本で起こっている変化に疎くなってしまうという欠点もある。

しかし、本当にそれだけの理由で留学を断念してよいものなのだろうか?


<つづく>


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Thursday, August 9, 2012

自分の欠点

まだ先日の出来事を完全に消化しきれた訳ではないけど、今回のインタビューで学んだことを残しておきたいと思う。

自分ではうまくできたつもりでいたが、他人に指摘されて冷静に振り返ってみるといくつかの問題点が浮き彫りになってきた。

まずはじめの問題点は、ズバリ準備不足。自分なりにいろいろ相手のことを調べたつもりでいたが、それは甘かった。調べただけではだめで、それに対する自分の意見や考えなどまで想定していなかった。

次は、緊張のせいもあったかもしれないが、高いテンションがキープできなかった。特に自分のセミナーのときにうまくやることばかり考えて、熱いパッションを伝えることができなかった。

最後の根本的な問題点は、前からわかってはいたことなのだが、食事のときなどに会話を盛り上げることができなかったことだ。自分はかなりシャイで無口で人見知りが激しいのだが、アメリカではこれでは通用しない。

はじめの二つの問題点は、準備と気持ちの問題なので、気をつけてさえいればすぐに改善は可能だと思う。

しかし、最後の初対面を苦手にしていることは、わかっていたとしても今すぐに変えるのは難しい。これが自分の最大の欠点であることは前々からわかっていたのだが、今まで何となく何も対策を練らずにだらだらと逃げて来てしまった。

実際日本語でもあまり話す方ではなかったのだが、英語になるともっとしゃべらなくなっていた。思い返してみると自分の英語にもしかしたら引け目を感じていたのかもしれない。

でも、今回の出来事で、かなり自分のお尻に火がついた。なんとか初対面でもうまく会話ができるようになりたいと思う(しかも英語で)。

まずはじめの対策として、

1)身近な人(職場の人など)に積極的に話しかけること。
2)話のネタになるようなことを、ノートに書き綴ること。

これを始めていきたいと思う。これだけですべてが変わるとは思わないが、まずは第一歩から。もし他にいい方法があったら教えて下さいね。

今回のインタビュー事態は失敗だったかもしれないけど、こういうことに気づけたという観点からは成功だったのかもしれないとちょっと前向きに強がってみようと思う。失敗から学んで、ちょっとずつでも前進しないとね。

また地道に頑張るぞ。


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Saturday, August 4, 2012

ただいまー

インタビュー終わって帰ってきました。実は3日前には帰って来てはいたのですが、いろいろあってブログの更新滞ってました。

今回は、空港からホテルへの行き帰りの時間、食事の時間も含め3日の間に15−6人と入れ替わり立ち替わり会ったので、もう誰と何を話したのかこんがらがってます。肉体的にも精神的にもかなり疲れました。

結果的に言うと今回訪れた大学が気に入りました。ものすごくいい人が多かった印象で、職場の雰囲気もとても良さそうだし、この人たちと一緒に働きたいなぁと感じました。建物を案内してくれたり、街を車で案内してくれたり。僕のことを楽しませようとしてくれているのがかなり伝わって来たし、自分の数少ないインタヴューの経験と比較すると、今まででは味わったことのない様な素晴らしい経験ができました。

また、今まであまり聞いたことのない州だったので生活環境等も心配だったのですが、自分の目で見た感じでは、とても安全で教育環境も良さそうだし子供を育てるにはいいところだという印象を受けました。

ともかく予想以上にいいところで、大満足で帰って来ました。

そして、次の日にお礼のメールをインタヴューしてくれた人たちに送ったら、そのうちの一人が今後に役立つように面接のこつを教えたいからと言ってくれたので電話で話しました。いろいろいいアドバイスはくれたのですが、一方で今回のインタヴューの仕方についてものすごい量のダメ出しもされました。基本的には今の僕の方法では受からないとのこと。。。ガビーン。って言うことは今回はだめってことじゃん。。。

と、言うことで今はちょっと落ち込んでます。だから、なかなかブログを書く気にならなかったのです。自分の中で噛み砕いてもう少し気持ちが落ち着いたら、今回のインタヴューの詳しい内容はまとめていこうと思います(いつも後回しにしている感じですね)。

まぁ終わってしまったことは仕方がないので、また次に向けて頑張ります。厳しい批判を受けるのはちょっと苦しいけど、なかなかそんな苦言を言ってくれる人はいないので感謝しています。その人も僕に可能性を感じているからそう言ってくれたのくれたのだろうし。。。

やっぱり、アメリカで仕事を取るのは簡単じゃないなと思い知らされました。でも、いつか手に入れてやるぞ。



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