<前回のポストからの続きです>
では、なぜ僕は留学しようと思ったのか。
僕は、日本にいた頃は小児科医として働いていた。毎日いろいろと考える余裕もなく、めまぐるしく働いていてそれなりに充実感はあったと思う。
しかし、あまりに忙しすぎた。
忙しすぎて患者を診るというよりは、ただ目の前にたまっている仕事をこなしている毎日だった。
日々の仕事に追われ、人生の目標を失ってしまっていた。
僕は何のために小児科になったのだろう?
子供が好きだったからではなかったのか?
そのときまだ自分の子供はいなかったが、朝早くから夜遅くまで病院で働いて、もし自分の子供ができたとしたら、
”果たしてこの忙しさの中で自分の子供の面倒を見ることができるのだろうか?”
とふと疑問に思ってしまった。
そして自分の子供の成長過程を見逃したら確実に後悔すると思った。
また、”自分の子供の面倒も見ることができない小児科医は本当に小児科医なのだろうか?” とも思ってしまったのだ。
頭では、医師とは自分の家族を犠牲にしても診療にあたらなくてはならないとは理解はしていたが、その当時の僕にはそれを心から受け入れることができなかった。
確証はないが、もしかしたら少し鬱の状態だったのかもしれない。
そこから逃げるという意味ではなく、環境を変えるために、一旦日本から出てみようと思った。
それが、僕が留学を考え始めた第一のきっかけである。
<つづく>
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